第105回

105PM025|第105回 助産師国家試験 過去問

1か月児健康診査時の予防接種に関する保健指導で正しいのはどれか。

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正解2

正答

2.「インフルエンザ菌b型〈Hib〉ワクチンは定期接種です」

この問題のポイント

1か月児健康診査で、生後2か月から始まる予防接種について保護者に伝える説明の正誤を問う問題です。選択肢には、定期接種の対象、接種開始の時期、同時接種、接種間隔、接種後の発熱への対応が並んでいます。改正の多い分野なので出題当時(2022年2月)の制度で判定し、発熱への対応は低月齢児の特徴をふまえて考えることが鍵です。

解説

「1か月児健康診査時」という条件から、まもなく始まる予防接種について、保護者に正確な情報を伝えられるかが問われていると分かります。1か月児健康診査は、助産師が接種の始め方を具体的に案内できる大切な機会です。

出題当時の標準的なスケジュールでは、次の4つを生後2か月から始めていました。

  • Hibワクチン
  • 小児用肺炎球菌ワクチン
  • B型肝炎ワクチン
  • ロタウイルスワクチン

母体からの移行抗体が減っていく時期に重い感染症から守るため、接種できる月齢になったら遅れずに始めることが大切です。健診では、かかりつけ医を決め、同時接種を含めた接種計画を立てられるよう支援します。経口生ワクチンのロタウイルスワクチンは、腸重積症の好発時期を避けるため、初回接種を出生14週6日後までに行うことが勧められています。そのため、とくに早めの計画が必要です。

定期接種は、予防接種法に基づき市町村長が実施主体となって行う接種です。

  • A類疾病:集団予防と重篤な疾患の予防が目的です。保護者には子どもに接種を受けさせる努力義務があり、通常は自己負担なく受けられます。
  • B類疾病:主に個人の発病・重症化予防が目的で(高齢者のインフルエンザなど)、努力義務はありません。
  • 健康被害の救済:定期接種は予防接種法の健康被害救済制度の対象です。任意接種(原則自己負担)は医薬品副作用被害救済制度の対象です。

インフルエンザ菌b型(Hib)は、乳幼児の細菌性髄膜炎の主要な原因菌で、急性喉頭蓋炎や敗血症も起こします。名前は似ていますが、季節性インフルエンザの原因ウイルスとは別の細菌です。Hibワクチンは2013年4月、小児用肺炎球菌ワクチンとともにA類疾病の定期接種になりました。対象は生後2か月から5歳未満です。標準的には生後2か月から7か月の間に始め、初回3回と追加1回を接種します。現在は、2024年4月に導入された五種混合ワクチン(四種混合にHibを加えたもの)として接種されることが多くなりましたが、定期接種であることは同じです。

2種類以上のワクチンを同じ日に接種する同時接種は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができます。生ワクチンと不活化ワクチンの組み合わせも可能です。ワクチンは混ぜずに、別々の部位に接種します。同時接種によって有効性が下がったり副反応が増えたりすることはないとされています。早く免疫をつけられ、受診回数も減らせるため、乳児期には広く行われています。

異なるワクチンを別の日に接種するときの間隔は、2020年10月に改正されました。

  • 改正前:生ワクチンの後は27日以上、不活化ワクチンの後は6日以上あける
  • 改正後:注射生ワクチンの後に注射生ワクチンを接種する場合だけ27日以上あける(麻しん風しん混合ワクチンの後の水痘ワクチンなど)。不活化ワクチンや経口生ワクチン(ロタウイルスワクチン)が関わる組み合わせには制限がない

同じワクチンを複数回接種するときは、ワクチンごとに定められた間隔を守ります。出題当時は、すでに改正後の規定が適用されていました。

接種後の発熱への対応は、月齢によって考え方が異なります。小児用肺炎球菌ワクチンは、発熱の副反応が比較的多いワクチンです。しかし、初回接種を受ける生後2か月ごろの乳児は免疫が未熟です。敗血症、細菌性髄膜炎、尿路感染症などの重症細菌感染症が、発熱だけで始まることがあります。機嫌や哺乳などの全身状態から、ワクチンの副反応と見分けることは難しいです。そのため、生後3か月未満で38℃以上の発熱があれば、接種後であっても副反応と自己判断しないよう伝えます。機嫌や哺乳が良くても、医療機関に連絡して受診するよう指導します。

生後3か月以降の児では、接種後の発熱は1〜2日で下がることが多いです。そのため、次のような状態を受診の目安として示します。

  • 高熱
  • ぐったりしている
  • 哺乳(食欲)の低下
  • けいれん
  • 発熱が長引く

これらを出題当時の制度と乳児の特徴に当てはめると、正しい説明は選択肢2だけです。

選択肢の確認

1.「四種混合ワクチンは生後2か月から接種が可能です」:出題当時の定期接種では、四種混合ワクチン(DPT-IPV)の対象は生後3か月から90か月に至るまででした。そのため、生後2か月から接種できるという説明は、当時の制度では誤りです。その後、2023年4月に接種開始が生後2か月へ前倒しされました。さらに2024年4月からはHibを加えた五種混合ワクチンも導入され、現在は生後2か月から接種を始めます。改正で扱いが変わった項目なので、出題時点の制度で判断します。

2.「インフルエンザ菌b型〈Hib〉ワクチンは定期接種です」:正答。Hibワクチンは2013年4月からA類疾病の定期接種で、生後2か月から接種を始めます。乳幼児の細菌性髄膜炎や急性喉頭蓋炎などの重い感染症を防ぐワクチンです。1か月児健康診査で接種計画を伝えるべき代表的なワクチンといえます。現在は五種混合ワクチンとして接種されることが多いものの、定期接種であることは変わりません。

3.「生ワクチンと不活化ワクチンの同時接種はできません」:同時接種は医師が特に必要と認めた場合に行うことができ、生ワクチンと不活化ワクチンの組み合わせも可能です。そのため、この説明は誤りです。生後2か月では、経口生ワクチンのロタと、不活化ワクチンのHib・小児用肺炎球菌・B型肝炎を同じ日に接種することが一般的です。注射生ワクチン同士を別の日に接種するときの「27日以上」という間隔の規定と混同しやすいので注意します。この規定は、同じ日の同時接種を制限するものではありません。

4.「初回肺炎球菌ワクチン接種後の発熱は経過観察可能です」:小児用肺炎球菌ワクチンは発熱の副反応が比較的多いものの、初回接種は標準的には生後2か月で、生後3か月未満の時期にあたります。この月齢では、重症細菌感染症が発熱だけで始まることがあります。機嫌や哺乳が良いことを理由に、副反応と判断することはできません。そのため、38℃以上の発熱があれば、接種後であっても医療機関に連絡して受診するよう指導します。一律に経過観察でよいと伝える説明は不適切です。機嫌、哺乳、発熱の持続、けいれんの有無で受診を判断する目安は、生後3か月以降の児の一般的な副反応への対応です。低月齢児には当てはめません。

5.「不活化ワクチン接種後27日間は他のワクチンは接種できません」:不活化ワクチンの後に別のワクチンを接種するときの間隔の制限は、2020年10月に撤廃されています。出題当時も制限はありませんでした。改正前でも不活化ワクチンの後は6日以上で、27日ではありません。「27日以上」は、改正前は生ワクチンの後の規定、改正後は注射生ワクチンの後に注射生ワクチンを接種する場合の規定です。ワクチンの種類を取り違えた記述といえます。

覚えるポイント

  • 出題当時、生後2か月から始めるワクチンはHib、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタでした。四種混合は当時は生後3か月からでした。2023年4月に生後2か月へ前倒しされ、2024年4月からは五種混合が導入されています。
  • 定期接種化は、Hibと小児用肺炎球菌が2013年4月、B型肝炎が2016年10月、ロタが2020年10月で、いずれもA類疾病です。ロタの初回接種は出生14週6日後までが推奨です。
  • 定期接種は予防接種法に基づき市町村長が実施します。A類疾病は集団予防が目的で努力義務があります。B類疾病は個人予防が目的で努力義務はありません。
  • 同時接種は、生ワクチンと不活化ワクチンの組み合わせも含めて、医師が特に必要と認めれば可能です。2020年10月以降、異なるワクチン間の間隔の制限は「注射生ワクチンの後の注射生ワクチンは27日以上」だけです。
  • 生後3か月未満の38℃以上の発熱は、接種後であっても、機嫌や哺乳が良くても医療機関に連絡・受診するよう指導します。機嫌・哺乳・発熱の持続・けいれんの有無で受診を判断する目安は、生後3か月以降の児に用いるものです。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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