第105回
105PM026|第105回 助産師国家試験 過去問
妊娠38週の初産婦の妊婦健康診査で、助産師外来の担当助産師が内診を行った。内診指を腟の後壁に沿って挿入したが子宮口になかなか届かず、奥まで入れてようやく子宮口に届いた。子宮口は鼻翼のように硬く1.5 cm開大しており、展退度は40%であった。児頭の先進部は坐骨棘より1cm上方に触れた。羊水の流出は認めなかった。このときのBishop〈ビショップ〉スコアはどれか。
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正解3
正答
3.4点
この問題のポイント
内診所見をビショップスコアの5項目(子宮口開大度、展退度、児頭の下降度、頸管の硬度、子宮口の位置)に当てはめて合計する問題です。開大度・展退度・下降度は数値で示されています。硬度と位置は「鼻翼のように硬い」「後壁に沿って奥まで入れてようやく届いた」という言葉で描写されており、これを点数に置き換えられるかが鍵になります。
解説
ビショップスコアの目的と採点基準
ビショップスコアは、内診によって頸管熟化の程度を点数化する指標です。分娩誘発の適否や成功の見込み、分娩開始が近いかどうかの判断に使います。開大度・展退度・下降度は0〜3点、硬度・位置は0〜2点で、合計は0〜13点です。
- 子宮口開大度:0 cmは0点、1〜2 cmは1点、3〜4 cmは2点、5 cm以上は3点
- 展退度:0〜30%は0点、40〜50%は1点、60〜70%は2点、80%以上は3点
- 児頭の位置(ステーション):−3は0点、−2は1点、−1〜0は2点、+1以上は3点
- 頸管の硬度:硬は0点、中は1点、軟は2点
- 子宮口の位置:後方は0点、中央は1点、前方は2点
問題文の所見を1項目ずつ点数にする
- 開大度:1.5 cmは1〜2 cmの区分に入るため1点です。
- 展退度:40%は40〜50%の区分に入るため1点です。
- 児頭の下降度:ステーションは、坐骨棘間を結ぶ線を0とし、それより上方をマイナス、下方をプラスとしてcm単位で表します。「坐骨棘より1 cm上方」はステーション−1です。「−1〜0」の区分に入るため2点です。
- 頸管の硬度:未熟な頸管は鼻翼(小鼻)の軟骨のような硬さに例えられます。熟化が進むと軟らかくなり、口唇のような軟らかさなどと表現されます。「鼻翼のように硬い」は硬と判定し、0点です。
- 子宮口の位置:熟化していない子宮頸部は後方(仙骨側)を向いています。そのため、内診指を後壁に沿って深く入れないと子宮口に届きません。熟化と児頭の下降が進むと、子宮口は中央から前方へ移動し、浅い位置で容易に触れるようになります。「なかなか届かず、奥まで入れてようやく届いた」は後方と判定し、0点です。
合計は1+1+2+0+0=4点です。なお、「羊水の流出は認めなかった」という所見は破水の有無を判断する情報であり、スコアの項目には入りません。妊娠週数や初産・経産の別も採点には関係しません。
点数の解釈と実践での生かし方
一般に9点以上で頸管成熟とされ、分娩誘発が成功しやすいと判断されます。4点は頸管がまだ未熟な状態です。ただし、妊娠38週の初産婦では頸管が未熟でも異常ではなく、陣痛発来までに熟化が進むことも多くあります。
助産師外来では、この所見をもとに分娩開始の見通しを妊婦と共有します。あわせて、規則的な子宮収縮、破水、産徴といった分娩開始徴候と、受診のタイミングを指導します。医学的適応で分娩誘発を行う場合、頸管が未熟なまま子宮収縮薬を用いると、誘発の不成功や分娩遷延につながりやすくなります。そのため、機械的方法や薬剤による頸管熟化処置を先に行うことが検討されます。
選択肢の確認
1.0点:合計がゼロになるのは、子宮口閉鎖、展退30%以下、ステーション−3、硬、後方と、5項目すべてが最低区分の場合だけです。本例は硬度と位置こそ最低区分ですが、開大1.5 cm、展退40%、ステーション−1の3項目はいずれも加点されるため、この値にはなりません。
2.2点:開大度(1)と展退度(1)だけを足し、児頭の下降度を加え忘れた場合や、「坐骨棘より上方なら加点なし」と誤解した場合に出る数字です。ステーション−1は「−1〜0」の区分にあたり、下降度だけで2が加算されるため、合計はこれより大きくなります。
3.4点:正答。各項目の点数は、開大度1(1.5 cm)、展退度1(40%)、下降度2(ステーション−1)、硬度0(鼻翼様の硬さ)、位置0(後方)であり、これを合計した値です。
4.7点:「鼻翼のように硬い」を中等度(1)、「奥まで入れてようやく届いた」を前方(2)と取り違えると、1+1+2+1+2でこの数字になります。前方の子宮口は浅い位置で容易に触れるため、深く挿入してようやく届くという描写は後方を示しており、この判定は成り立ちません。
5.9点:一般に頸管成熟の目安とされる水準です。本例は開大度・展退度・下降度の3項目だけで合計4が確定しています。仮に硬度と位置をともに最高区分(軟、前方)と読み違えても合計は8にとどまるため、どのように判定を誤ってもこの値には届きません。
覚えるポイント
- ビショップスコアは5項目で構成されます。開大度・展退度・下降度は0〜3点、硬度・位置は0〜2点で、満点は13点です。
- 区分の境目は、開大が「0/1〜2/3〜4/5 cm以上」、展退が「0〜30/40〜50/60〜70/80%以上」、ステーションが「−3/−2/−1〜0/+1以上」です。
- ステーションは坐骨棘間線を0とし、上方をマイナス、下方をプラスとしてcm単位で表します。「坐骨棘より1 cm上」は−1です。
- 言葉による描写の読み替えを押さえます。「鼻翼様の硬さ」は硬(0点)、「後壁に沿って奥まで入れないと届かない」は後方(0点)です。熟化に伴い頸管は軟化し、子宮口は後方から中央、前方へ移動します。
- 一般に9点以上で頸管成熟と判断します。低値で分娩誘発を行う場合は、頸管熟化処置を先行させることを検討します。
- 破水の有無、妊娠週数、経産回数はスコアの項目に含まれません。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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