第106回

106AM011|第106回 助産師国家試験 過去問

乳児期の発達で適切なのはどれか。

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正解2

正答

2.4か月ころに人に話しかけるような声を出す。

この問題のポイント

乳児期の発達の目安を、運動・視覚・手の操作・言語と社会性の領域ごとに、月齢と正しく対応させられるかを問う問題です。定頸、追視、発声、手を口へ運ぶ動作はそれぞれ典型的な月齢が決まっています。選択肢は時期を前後にずらして作られているため、各月齢で「できるようになること」を並べて覚えておくと判断できます。

解説

乳児の発達には、頭部から下肢へ(頭尾方向)、体幹から末梢へ(中枢から末梢方向)という一定の方向性があります。首がすわり、次に寝返り、座位、はいはい、つかまり立ちへと進む順序はこの原則で説明できます。手の操作も、手のひら全体でつかむ段階から指先でつまむ段階へ進みます。

領域ごとの主な目安は次のとおりです。

  • 粗大運動:定頸は3〜4か月ころ、寝返りは5〜6か月ころ、支えなしの座位は7か月ころ、はいはいは8〜9か月ころ、つかまり立ちは9〜10か月ころ、ひとり歩きは1歳〜1歳3か月ころです。
  • 視覚:新生児期から人の顔や明暗をぼんやり注視し、1〜2か月ころに動くものを目で追う追視が始まります。3〜4か月ころには左右180度追えるようになります。
  • 手の操作:3か月ころに自分の手を見つめるハンドリガードがみられます。4〜5か月ころに手を伸ばして物をつかみ、それを口へ運ぶようになります。6〜7か月ころには物を持ち替え、9〜10か月ころには指先でつまむ動作や、両手の物を打ち合わせる遊びが出てきます。
  • 言語・社会性:2か月ころにあやすと笑う社会的微笑と、「アー」「ウー」という母音中心のクーイングが現れます。3〜4か月ころには声を出して笑い、相手の顔を見て声を出すようになります。その後、喃語が増えて子音を含むようになり、6〜8か月ころには人見知りが始まります。

選択肢2の「人に話しかけるような声」は、単に声が出ることではなく、相手に向けて発声し、応答を期待するやりとりの芽生えを指します。4か月ころの乳児はあやされると声を出して笑い、大人が話しかけると声で応じるようになります。これは言語発達と社会性の発達が重なって現れる所見で、4か月ころの目安として適切です。

ほかの選択肢は、いずれも実際の出現時期とずれています。定頸は2か月では早すぎ、追視は6か月では遅すぎ、手に持った物を口へ運ぶ動作は10か月では遅すぎます。

実践の場では、乳児健康診査や新生児訪問、産後の母親からの相談で、これらの目安を使って発達を確認します。1歳6か月児健診と3歳児健診は母子保健法で市町村に実施が義務づけられており、乳児期の健診も多くの市町村で3〜4か月ころなどに行われています。ただし、目安は多くの子が到達する時期を示すもので、個人差があります。保護者には、1つの項目の遅れで判断せず、経過と全体像をみることを伝えます。

また、物を口に運べるようになる時期は、誤飲事故が増えはじめる時期でもあります。発達の見通しを伝えることは、事故予防の保健指導にも直結します。

選択肢の確認

1.2か月ころに定頸が完了する。:定頸が完了するのは3〜4か月ころで、2か月では早すぎます。定頸は、引き起こしたときに頭が遅れずについてくること、縦に抱いても頭がぐらつかないことで確認します。2か月ころは腹臥位で一瞬頭を持ち上げる程度で、引き起こすと頭が後ろに垂れます。2か月は社会的微笑やクーイングが現れる時期なので、その時期と取り違えないようにします。

2.4か月ころに人に話しかけるような声を出す。:正答。4か月ころには、クーイングが発展して相手の顔を見ながら声を出すようになり、あやすと声を出して笑います。まるで話しかけているような発声で、言語と社会的なやりとりの発達を示す所見です。

3.6か月ころに追視を開始する。:追視は1〜2か月ころに始まり、3〜4か月ころには左右180度追えるようになるため、6か月の開始では遅すぎます。6か月ころの目安は、寝返り、物の持ち替え、人見知りの始まりなどです。6か月になっても追視がみられない場合は、視覚障害などを疑って評価が必要になります。

4.10か月ころに手に持ったものを口に持っていくようになる。:物をつかんで口へ運ぶ動作は、手を伸ばしてつかむ動作ができる4〜5か月ころに現れるため、10か月では遅すぎます。口に入れる行為は物の形や感触を確かめる探索行動です。10か月ころの手の操作は、親指と人差し指で小さな物をつまむ動作や、物を打ち合わせる遊びが中心です。

覚えるポイント

  • 発達は「頭部→下肢」「体幹→末梢」の順に進みます。粗大運動は、定頸3〜4か月、寝返り5〜6か月、座位7か月、はいはい8〜9か月、つかまり立ち9〜10か月、ひとり歩き1歳〜1歳3か月です。
  • 視覚は、1〜2か月で追視開始、3〜4か月で180度追視です。
  • 手の操作は、4〜5か月でつかんで口へ運ぶ、6〜7か月で持ち替え、9〜10か月で指先つまみです。手のひら全体でつかむ段階から指先でつまむ段階へ進みます。
  • 言語・社会性は、2か月で社会的微笑とクーイング、3〜4か月で声を出して笑い人に話しかけるように発声、6〜8か月で人見知りです。
  • 選択肢は時期を前後にずらして作られることが多いため、「その月齢で始まるのか、完成するのか」を区別して読みます。
  • 物を口に運べるようになった乳児には、誤飲予防の保健指導をあわせて行います。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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