第106回

106PM027|第106回 助産師国家試験 過去問

2つ選択

Biophysical Profile Score〈BPS〉の評価項目で正常と判定できるのはどれか。2つ選べ。

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正解1・2

正答

1.3 cmの羊水ポケットが確認できる。
2.四肢の動きが30分間に3回確認できる。

この問題のポイント

Biophysical Profile Score〈BPS〉の5項目について、何を、どの時間内に、何回・どれだけの長さで確認できれば正常(2点)とするかを問う問題です。選択肢は、回数が足りない、持続時間が短い、屈曲に戻らないなど、基準をわずかに外した内容で作られています。そのため「羊水ポケット2 cm以上」「胎動3回以上」「呼吸様運動30秒以上」「伸展から屈曲への復帰1回以上」「NSTは20分間に一過性頻脈2回以上」という数値を正確に覚えているかが決め手になります。

解説

BPSは、胎児の健康状態(well-being)を評価する方法です。超音波で観察する4項目とノンストレステスト〈NST〉を組み合わせます。各項目は、基準を満たせば2点、満たさなければ0点で採点し(1点はありません)、合計10点満点で判定します。超音波の観察時間は原則30分です。

各項目で正常(2点)とする基準は次のとおりです。

  • 胎児呼吸様運動:30秒以上続く呼吸様運動が、30分間に1回以上みられる。
  • 胎動:体幹や四肢の明らかな動きが、30分間に3回以上みられる。
  • 胎児筋緊張:四肢や体幹が伸展したあと屈曲位に戻る動き、または手の開閉が、30分間に1回以上みられる。
  • 羊水量:最大の羊水ポケット(垂直方向の深さ)が2 cm以上ある。
  • NST:一過性頻脈が20分間に2回以上みられ、反応性(reactive)である。一過性頻脈は、心拍数が15 bpm以上増加し、15秒以上2分未満続くものです。妊娠32週未満では10 bpm以上・10秒以上を基準とします。

判定の目安は、8〜10点が正常、6点が疑わしい(時間をおいて再検査するか、成熟していれば分娩を検討)、4点以下が異常(分娩を考慮)です。

各項目の意味を機序から理解しておくと、応用問題に強くなります。NST、呼吸様運動、胎動、筋緊張の4つは、胎児の中枢神経の活動を反映します。急性の低酸素で抑制されるため、急性マーカーと呼ばれます。一方、羊水量は慢性マーカーです。慢性的な低酸素状態では、胎児が血流を脳・心臓・副腎に優先して配分します。その結果、腎血流が減って胎児尿が減り、羊水が少なくなります。このため、合計点が高くても羊水量だけが0点の場合は、慢性的な低酸素を疑って慎重に評価します。

低酸素が進んだときに消えていく順序も押さえておきましょう。発生の過程で遅く完成した機能ほど、早く失われます。まずNSTの反応性と呼吸様運動が消え、次に胎動が消え、筋緊張は最後まで残ります。したがって、筋緊張が消失している状態は重篤なサインです。

なお、胎児の睡眠周期や、母体に投与された鎮静作用のある薬剤の影響で、低酸素がなくても呼吸様運動や胎動が一時的に減ることがあります。30分という観察時間は、この偽陽性を減らすためのものです。臨床では、NSTと羊水量だけで評価するmodified BPSもよく用いられます。

助産師は、検査の目的と所要時間を妊婦に説明します。検査中は、仰臥位低血圧症候群を避けるため、セミファウラー位や側臥位で安楽に過ごせるよう援助します。そして、結果を医師と共有して次の方針につなげます。

本問では、選択肢1は羊水量、選択肢2は胎動の基準を満たすため正常です。選択肢3〜5は、それぞれ屈曲への復帰、持続時間、回数という要件を満たさないため0点になります。

選択肢の確認

1.3 cmの羊水ポケットが確認できる。:正答。羊水量は、最大羊水ポケットが2 cm以上あれば2点です。3 cmはこの基準を満たします。なお、羊水ポケットが2 cm未満なら羊水過少、8 cm以上なら羊水過多とされます。3 cmは正常範囲にあたります。

2.四肢の動きが30分間に3回確認できる。:正答。胎動は、体幹または四肢の明らかな動きが30分間に3回以上あれば2点です。「3回」は基準ちょうどで満たしています。「3回を超える」と誤って覚えていると迷う選択肢なので、「以上」であることを確認しておきましょう。

3.体幹と四肢が30分間、伸展位で屈曲しない。:胎児筋緊張は、伸展した四肢や体幹が屈曲位に戻る動き(または手の開閉)が30分間に1回以上みられて、はじめて2点になります。伸展位のまま屈曲しない状態は0点です。正常な胎児は屈曲位を基本姿勢とし、伸展しても屈曲に戻ります。伸展する動きそのものではなく、屈曲への復帰が評価の要件だという点がひっかけです。筋緊張は低酸素で最後に失われる項目なので、この所見は重篤な状態を示唆します。

4.10秒続く呼吸様運動が30分間に1回確認できる。:胎児呼吸様運動は、30秒以上持続するエピソードが30分間に1回以上必要です。10秒では持続時間が足りず0点になります。「1回」という回数は基準を満たしているため、持続時間を見落とすと誤答します。NSTの一過性頻脈の持続時間(15秒以上)など、他の数値と混同しないよう整理しておきましょう。

5.ノンストレステスト〈NST〉で一過性頻脈が40分間に1回確認できる。:NSTは、一過性頻脈が20分間に2回以上みられる反応性パターンで2点です。40分かけて1回しか確認できない場合は、胎児の睡眠を考えて観察を延ばしても基準に達していないため0点です。観察時間を延ばしても反応がみられない場合は、ノンリアクティブとして他の評価法を追加します。

覚えるポイント

  • BPSは、超音波4項目(呼吸様運動・胎動・筋緊張・羊水量)とNSTの計5項目を、各2点か0点で採点する10点満点の評価です。観察時間は30分です。
  • 正常基準は、呼吸様運動が30秒以上を1回以上、胎動が3回以上、筋緊張が伸展から屈曲への復帰1回以上、羊水ポケットが2 cm以上、NSTが20分間に一過性頻脈2回以上です。
  • 判定は、8〜10点が正常、6点が疑わしい、4点以下が異常(分娩を考慮)です。
  • 羊水量は慢性マーカー(腎血流の低下で胎児尿が減る)、ほかの4項目は中枢神経を反映する急性マーカーです。
  • 低酸素で消える順序は、NSTの反応性・呼吸様運動 → 胎動 → 筋緊張です。筋緊張の消失は最も重い所見です。
  • 羊水量の目安は、羊水ポケット2 cm未満で過少、8 cm以上で過多、AFIでは5 cm以下で過少です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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