第106回
106PM034|第106回 助産師国家試験 過去問
双生児を出産した会社員が利用できる制度で正しいのはどれか。2つ選べ。
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正解2・4
正答
2.1児ごとに出産育児一時金が支給される。
4.子の看護休暇は1年間に10日まで取得できる。
この問題のポイント
出産・育児に関わる労働法規と社会保険の制度のうち、多胎(双生児)で内容が変わるものと変わらないものを見分ける問題です。多胎で変わるのは、産前休業の期間、出産手当金の産前期間、出産育児一時金の額(児の数)、子の看護休暇の日数(子の数)です。産後休業の期間、短時間勤務の対象年齢、母性健康管理の対象期間は多胎でも変わりません。
解説
問題文の手がかり
「会社員」は、雇用されて働く女性であることを示します。そのため、労働基準法、育児・介護休業法、男女雇用機会均等法が適用され、健康保険の被保険者本人として給付を受ける立場になります。「双生児」は、多胎であり、養育する子が2人になることを示します。制度ごとに「母親1人に対する制度」か「子の数に応じる制度」かを考えると判断しやすくなります。
多胎で内容が変わる制度
- 産前休業(労働基準法第65条):出産予定日の6週間前から取得でき、多胎妊娠では14週間前からです。本人の請求によって取得する休業です。
- 出産手当金(健康保険):産休中に賃金が支払われない日の所得保障です。出産日以前42日(多胎は98日)から出産の翌日以後56日までが対象で、額は標準報酬日額のおおむね3分の2です。多胎で延びるのは産前の期間だけで、母親本人への給付のため、児の数で倍になるわけではありません。
- 出産育児一時金(健康保険):妊娠4か月(85日)以上の出産に対して支給され、死産・流産も含みます。児1人ごとに支給されるため、双生児なら2児分です。
- 子の看護休暇(育児・介護休業法):子が1人なら年5日、2人以上なら年10日です。双生児の親は10日になります。
多胎でも変わらない制度
- 産後休業:出産の翌日から8週間で、多胎でも同じです。
- 所定労働時間の短縮措置(短時間勤務):3歳に満たない子を養育する労働者が対象です。
- 母性健康管理の措置(男女雇用機会均等法):妊娠中と出産後1年以内が対象です。
- 育児時間(労働基準法第67条):生後1年に達しない子を育てる女性が、1日2回、各30分以上請求できます。
実践とのつながり
多胎の母親は、授乳や夜間の世話の負担が単胎の母親より大きくなります。助産師は退院指導や産後の保健指導で、職場復帰の時期や、利用できる休暇・給付を具体的に伝えます。母性健康管理指導事項連絡カードなどを使って勤務の調整を支援することも役割です。
出題後の改正
出産育児一時金は、2023年4月以降の出産から1児につき原則50万円に引き上げられました。出題当時は原則42万円です。
子の看護休暇は、2025年4月の改正で「子の看護等休暇」に名称が変わり、対象は小学校3年生修了までに広がりました。取得理由には、感染症に伴う学級閉鎖等と、入園(入学)式・卒園式が加わりました。日数(1人5日、2人以上10日)は変わっていません。
短時間勤務の義務の対象は、現在も3歳未満のままです。
選択肢の確認
1.産後休業は14週間である。:14週間は多胎妊娠の場合の産前休業の期間で、産前と産後の数値を入れ替えた取り違えを狙った記述です。産後休業は労働基準法で出産の翌日から8週間と定められ、多胎でも延長されません。産後6週間は、本人が希望しても就業させてはならない強制休業です。6週間を過ぎると、本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務に限って就業できます。
2.1児ごとに出産育児一時金が支給される。:正答。出産育児一時金は、健康保険の被保険者が出産したときに、出産した児の数に応じて支給されます。双生児では2児分になり、出題当時は1児につき原則42万円でした。被扶養者が出産した場合は、家族出産育児一時金として同様に支給されます。多胎で産前期間が延びるだけの出産手当金とは、しくみが異なる点に注意します。
3.子が就学するまで短時間勤務を申請できる。:育児・介護休業法で事業主に義務づけられた短時間勤務制度(1日原則6時間)の対象は、3歳に満たない子を養育する労働者です。出題当時、3歳から小学校就学前までの措置は努力義務でした。出題当時に小学校就学前までが対象だったのは、子の看護休暇、時間外労働の制限、深夜業の制限です。これらと取り違えないようにします。
4.子の看護休暇は1年間に10日まで取得できる。:正答。子の看護休暇は、出題当時、小学校就学前の子を養育する労働者が取得できる休暇でした。けがや病気の子の世話、予防接種・健康診断の付き添いに使えます。日数は1年度に子1人なら5日、2人以上なら10日で、双生児の親は10日です。10日を子ごとに5日ずつ分ける必要はなく、1人の子のために使うこともできます。2021年1月からは時間単位でも取得できます。
5.産後2年まで医師の指示による受診に必要な時間を申請できる。:男女雇用機会均等法の母性健康管理措置では、保健指導・健康診査を受けるための時間の確保は、妊娠中と出産後1年以内が対象で、2年ではありません。妊娠中の受診は、妊娠23週までは4週に1回、24〜35週は2週に1回、36週以降は1週に1回が基準です。産後は医師等が指示する回数です。育児時間(生後1年未満)と同じく「1年」で区切られると覚えると整理しやすくなります。
覚えるポイント
- 産前休業は6週間(多胎14週間)で本人の請求による。産後休業は多胎でも8週間で、うち6週間は強制休業。
- 出産育児一時金は児の数だけ支給される(出題当時は原則42万円、2023年4月以降の出産から原則50万円)。出産手当金は産前42日(多胎98日)+産後56日で、額は標準報酬日額のおおむね3分の2。
- 子の看護休暇は子1人で年5日、2人以上で年10日。対象は出題当時は就学前、2025年4月からは小学校3年生修了まで。
- 短時間勤務(1日原則6時間)の義務の対象は3歳未満。「就学前まで」の制度と混同しない。
- 1年で区切られる制度:母性健康管理の受診時間の確保(妊娠中と産後1年以内)、育児時間(生後1年未満、1日2回各30分以上)。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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