第106回
106PM035|第106回 助産師国家試験 過去問
周産期医療体制で正しいのはどれか。2つ選べ。
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正解1・4
正答
1.周産期医療体制整備計画は都道府県が策定する。
4.総合周産期母子医療センターは常時母子の搬送を受け入れる機能がある。
この問題のポイント
周産期医療体制について、計画を誰が策定するか、総合・地域周産期母子医療センターの役割と要件、NICUの看護師配置基準を問う問題です。「常時」「限られる」「必要である」のように、要件の強さを表す言葉が正誤の分かれ目になります。NICUの配置基準(常時3床に1名)と、GCUの配置基準(常時6床に1名)を取り違えないことも重要です。
解説
周産期医療体制の枠組みと策定主体
わが国の周産期医療は、役割分担の仕組みで成り立っています。正常な妊娠・分娩は診療所・病院・助産所が担います。ハイリスク妊娠や重症新生児は周産期母子医療センターが担います。両者は母体搬送と新生児搬送でつながっています。
妊婦の救急搬送の受入れ困難事案が社会問題となったことを受け、国は2010年に周産期医療体制整備指針を示しました。都道府県はこの指針に基づき、周産期医療体制整備計画を策定してきました。計画づくりにあたって都道府県は周産期医療協議会を設け、関係者の意見を聴きます。計画では、センターの指定・認定、搬送体制、情報システム、人材確保などを定めます。
第7次医療計画(2018年度〜)からは、この計画は医療法に基づく医療計画の「周産期医療」の部分と一本化されました。医療計画を定めるのは都道府県です。出題当時(2023年2月)は第7次医療計画の期間中で、周産期医療は5事業(救急医療、災害時医療、へき地医療、周産期医療、小児医療)の一つでした。第8次医療計画(2024年度〜)では新興感染症への医療が加わって6事業となりましたが、周産期医療を都道府県が計画に位置づける点は変わっていません。
2種類のセンター
- 総合周産期母子医療センター:都道府県が「指定」し、原則として三次医療圏に1か所整備します。MFICU(母体・胎児集中治療管理室)を含む産科病棟と、NICU(新生児集中治療管理室)を含む新生児病棟を備えます。24時間体制で産科と新生児医療を担当する医師が勤務し、常時、母体と新生児の搬送を受け入れる体制を持ちます。合併症妊娠、重症の妊娠高血圧症候群、切迫早産、胎児異常など、母体または児のリスクの高い妊娠に対する医療と、高度な新生児医療を担う地域の中核です。
- 地域周産期母子医療センター:都道府県が「認定」します。産科と小児科(新生児医療を担当するもの)等を備え、周産期に関する比較的高度な医療を行い、総合センターと連携します。
看護職員の配置基準
集中治療室の配置基準は、診療報酬の施設基準とも対応しています。
- NICU:看護師を常時3床に1名以上
- MFICU:助産師または看護師を常時3床に1名以上
- GCU(NICUの後方病床):常時6床に1名以上
搬送体制と助産師の実践
母体搬送は、受入れ先の確保を最優先に調整されます。都道府県内で受入れ先が見つからない場合は、近隣の都道府県と連携した広域搬送も行われます。
助産所や診療所で働く助産師にとって、この体制の理解は欠かせません。異常の徴候を早期に捉え、どの水準の施設へ紹介・搬送するかを判断するのは助産師の重要な役割です。医療法では、分娩を取り扱う助産所の開設者は、嘱託医師と、嘱託する病院または診療所を定めておくこととされています。
選択肢の確認
1.周産期医療体制整備計画は都道府県が策定する。:正答。国の周産期医療体制整備指針に基づき、都道府県が周産期医療協議会の意見を聴いて策定するものです。第7次医療計画からは医療計画の周産期医療の部分と一本化されましたが、策定主体が都道府県である点は同じです。国は指針を示す立場であり、市町村が策定するものでもありません。
2.母体の救急搬送は妊産婦が居住している都道府県内に限られる。:母体搬送で優先されるのは、母児の状態に対応できる受入れ先を速やかに確保することです。県内で受入れ先が確保できない場合や、県境付近で隣県の施設のほうが近い場合には、都道府県の境を越えて搬送されます。指針でも近隣都道府県と連携した広域搬送体制の整備が求められており、居住地の都道府県内に限る規定はありません。
3.地域周産期母子医療センターの認定には産科と小児科が必要である。:産科と小児科(新生児医療担当)を備えることは原則ですが、例外があります。NICUを備える小児専門病院などで都道府県が適当と認めた施設は、産科を備えていなくても地域周産期母子医療センターとして認定できます。そのため、両方が「必要である」と言い切る記述は正しくありません。原則と例外の区別を問う選択肢です。
4.総合周産期母子医療センターは常時母子の搬送を受け入れる機能がある。:正答。常時の母体搬送と新生児搬送の受入れ体制を持つことは、総合周産期母子医療センターの要件です。MFICUとNICUを備え、24時間体制で産科医と新生児担当医が勤務することで、この機能が支えられています。地域の周産期医療システムにおける最終的な受入れ先としての役割です。
5.総合周産期母子医療センターのNICUの看護師配置は常時6床に1名である。:NICUの看護師配置は常時3床に1名以上で、6床に1名では集中治療に必要な観察と処置を担えません。常時6床に1名は、NICUを退室した児が入るGCU(新生児回復期治療室)の基準です。NICUとGCUの数値を入れ替えた、混同を狙った選択肢です。
覚えるポイント
- 周産期医療体制の計画は都道府県が策定します。2010年の周産期医療体制整備指針に基づく計画は、第7次医療計画(2018年度〜)から医療計画に一本化されました。
- 総合周産期母子医療センターは都道府県が「指定」し、原則として三次医療圏に1か所です。MFICUとNICUを備え、常時母体・新生児の搬送を受け入れます。
- 地域周産期母子医療センターは都道府県が「認定」し、比較的高度な周産期医療を担います。産科と小児科が原則ですが、NICUを持つ小児専門病院などは産科がなくても認定できます。
- 看護職員の配置基準は、NICUとMFICUが常時3床に1名以上、GCUが常時6床に1名以上です。
- 母体搬送は受入れ先の確保が最優先で、都道府県境を越える広域搬送もあります。
- 「限られる」「必ず」「必要である」と言い切る選択肢は、原則に例外がないかを確認します。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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