108PM033第108回 助産師国家試験 過去問

Aさん(25歳、初産婦)は、10年前にてんかんと診断され、抗てんかん薬の内服で現在の病状は安定している。妊娠38週0日で3,800 gの男児を経腟分娩で出産した。羊水混濁なし、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。児は生後2時間、啼泣時に軽度の下顎、四肢のふるえがみられる。努力呼吸や心雑音はない。体温37.0 ℃、呼吸数50/分、心拍数140/分、血圧60/40 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)である。この児で今後、気を付けなければならないのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 1・2

正答

1、2

この問題のポイント

母体が抗てんかん薬を継続していた新生児では薬物離脱症候群に注意し、また38週3,800 gと大きめの児では低血糖を監視します。

解説

胎児は胎盤を通じて抗てんかん薬に曝露されているため、出生後に母体からの供給が絶たれると振戦、易刺激性、哺乳不良、けいれん等の離脱症状を示すことがあります。本児の軽い下顎・四肢振戦はその観察を要する所見です。また、38週で3,800 gは在胎週数に比して大きく、高インスリン血症などによる出生後の血糖低下を考えて早期哺乳と血糖測定を行います。心雑音や低酸素はなく先天性心疾患を示す所見は乏しく、羊水混濁や呼吸障害がないため胎便吸引症候群や一過性多呼を主に疑いません。

選択肢の確認

1.離脱症候群:抗てんかん薬の胎内曝露後は出生で薬物供給が中断され、振戦・易刺激性・哺乳不良等の離脱症候群を起こすことがあります。
2.新生児低血糖:38週で3,800 gと在胎週数に比して大きい児は出生後の低血糖リスクを考え、振戦があるため血糖を早期に確認します。
3.先天性心疾患:心雑音やチアノーゼ、低酸素がなく循環動態も安定しており、本問の情報から先天性心疾患を優先しません。
4.胎便吸引症候群:羊水混濁がなく、呼吸困難や酸素化不良もないため、胎便吸引症候群を疑う臨床所見はありません。
5.新生児一過性多呼吸:新生児一過性多呼では呼吸数60/分以上と呼吸窮迫を示しますが、本児は50/分で努力呼吸もなく合致しません。

覚えるポイント

新生児振戦では「薬物離脱」と「低血糖」を直ちに考え、呼吸・循環所見と分けます。

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