48AM075|第48回 視能訓練士国家試験 過去問
50 歳の男性。眼位異常を主訴に来院した。視力は右1.2(矯正不能)、左1.2(矯正不能)。右眼固視の9方向眼位写真(別冊No. 7)を別に示す。右眼遮閉で左眼の開瞼は良好で、Bell 現象は陽性であった。左眼に対して筋移動術による手術を計画する場合、手術筋となるのはどれか。 2つ選べ。

2つ選択
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正解: 4・5
正答
4、5
この問題のポイント
左眼は眼瞼下垂に加えて上転・下転・内転が障害され外斜視となっており、左動眼神経麻痺である。筋移動術では機能の残る外直筋を鼻側へ移動し、麻痺した内直筋を短縮する。
解説
9方向眼位写真では、左眼は検者が指で眼瞼を挙げなければ開かない眼瞼下垂があり、正面位で外斜視、上方視・下方視・右方視(内転)のいずれも動きが乏しく、外転だけが保たれています。上直筋・下直筋・内直筋・下斜筋と上眼瞼挙筋がまとめて障害された左動眼神経麻痺です。Bell現象が陽性で開瞼も良好なので、術後の角膜保護に問題はありません。
動眼神経麻痺で機能が残る筋は外直筋(と上斜筋)だけなので、筋移動術では外直筋を鼻側へ移動(分割して内直筋付着部近くへ縫着)して内転方向の力に転用し、麻痺している内直筋を短縮して眼球を正面位に固定します。したがって手術筋は外直筋と内直筋です。
選択肢の確認
1.上斜筋
上斜筋は滑車神経支配で機能が残りますが、本例で計画する筋移動術の手術筋ではありません。
2.下斜筋
下斜筋は動眼神経支配で麻痺しており、移動術には使えません。
3.下直筋
下直筋も動眼神経麻痺で機能していないため手術筋になりません。
4.外直筋
正しい。機能の残る外直筋を鼻側へ移動して内転方向の力に転用します。
5.内直筋
正しい。麻痺した内直筋を短縮して眼球を正面位に固定するため、手術筋となります。
覚えるポイント
- 眼瞼下垂+外斜視+上転・下転・内転障害=動眼神経麻痺
- 動眼神経麻痺の筋移動術は外直筋の鼻側移動+内直筋短縮
- Bell現象陽性は術後の角膜保護が保たれる目安