53AM067|第53回 視能訓練士国家試験 過去問
18 歳の女子。2 歳ころから右内斜視があり自宅近くの医療機関で眼鏡を処方され装用したが、5 歳ころから放置していた。最近、見た目が気になるようになり、手術を希望して来院した。視力は右(1.2×+1.00D)、左(1.2×+0.75D)。交代プリズム遮閉試験は遠近ともに30 ΔET、大型弱視鏡では他覚的斜視角+15°、同時視(-)0°付近で交差感があり他覚的斜視角≠自覚的斜視角であった。Bagolini 線条検査の結果(別冊No. 6)を別に示す。術後に懸念される症状はどれか。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
異常対応のある内斜視の術後に懸念される症状を問う図問題です。
解説
大型弱視鏡で他覚的斜視角(+15°)と自覚的斜視角(0°付近)が一致せず、Bagolini線条検査でも斜視があるのに光条が中央で交差していれば、異常対応が成立しています。
この状態で手術により眼位を正位にすると、異常対応が残ったまま眼位だけが変わるため、本来とは逆向きの複視、すなわち背理性複視が生じる可能性があります。術前にこの説明が必要です。
選択肢の確認
1.斜位近視
誤り。斜位近視は外斜位・間欠性外斜視でみられる。
2.視力障害
誤り。視力は両眼1.2と良好で視力障害は懸念されない。
3.背理性複視
正しい。異常対応のまま眼位を矯正すると背理性複視が生じうる。
4.輻湊不全
誤り。輻湊不全はこの病態で懸念される主要な症状ではない。
5.抑制
誤り。抑制はむしろ複視を防ぐ方向に働く。
覚えるポイント
- 異常対応=他覚的斜視角≠自覚的斜視角。斜視への感覚的適応。
- 背理性複視=異常対応のまま手術で眼位を矯正したときに生じる逆向きの複視。
- 多くは時間とともに軽快するが、術前の説明が不可欠。