55AM070|第55回 視能訓練士国家試験 過去問
9 歳の男児。学校の健康診断で両眼の視力低下を指摘され来院した。視力は右(0.6×+0.50 D)、左(0.5×+0.25 D)であった。ERG 検査では最大応答および杆体応答はやや減弱、錐体応答とフリッカ応答は著明に低下していた。眼底写真、フルオレセイン蛍光眼底造影検査およびOCT 検査の所見(別冊No. 7)を別に示す。考えられるのはどれか。

解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
学童の両眼視力低下と黄斑所見から疾患を判断する図問題です。
解説
学童期に両眼性の視力低下をきたし、錐体応答とフリッカ応答が著明に低下、蛍光眼底造影で脈絡膜の蛍光が乏しい(dark choroid)所見がみられれば、Stargardt病が考えられます。黄斑部の萎縮とその周囲の黄色斑(fundus flavimaculatus)が特徴です。
ABCA4遺伝子の異常による常染色体潜性遺伝の黄斑ジストロフィで、眼底所見に比べて視力低下が強いのが特徴です。
選択肢の確認
1.黄斑低形成
誤り。黄斑低形成は先天性で中心窩の陥凹が形成されない病態である。
2.Stargardt 病
正しい。学童期発症の両眼性視力低下と錐体応答の低下からStargardt病である。
3.網膜色素変性
誤り。網膜色素変性では杆体応答が著明に低下し夜盲が主症状となる。
4.錐体ジストロフィ
誤り。錐体ジストロフィも鑑別に挙がるが、蛍光造影所見と黄斑の萎縮からStargardt病が考えられる。
5.Leber 遺伝性視神経症
誤り。Leber遺伝性視神経症では視神経萎縮がみられERGは正常である。
覚えるポイント
- Stargardt病=ABCA4遺伝子。学童期発症、両眼性、黄斑萎縮と黄色斑。
- 蛍光眼底造影でdark choroid(脈絡膜の蛍光が遮られる)が特徴的。
- 眼底所見に比べて視力低下が強く、心因性と誤られることがある。