56AM066第56回 視能訓練士国家試験 過去問

65 歳の男性。2 日前より複視を自覚するようになり来院した。糖尿病の既往がある。前眼部、中間透光体および眼底には異常を認めない。Hess 赤緑試験の結果(別冊No. 7)を別に示す。誤っているのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

Hess赤緑試験の判読を問う図問題です。

解説

Hess図では左眼の図が小さく、外直筋の方向(外転)で強く引き込まれて鼻側へ偏位し、右眼の図は大きく内直筋の方向へ張り出しています。図の小さい方が麻痺眼なので、**左外転神経麻痺(左外直筋麻痺)**です。糖尿病を背景とした虚血性の脳神経麻痺として突然発症したと考えられます。

複視は麻痺筋の作用方向、すなわち左方視で最も強くなるので、「右方視で増強する」という記述が誤りです。両眼とも図形が鼻側に寄っており第1眼位は内斜視、右眼の内直筋(左外直筋のともむき筋)は過動を示し、左眼の図は健眼(右眼)固視で測った麻痺眼の偏位=第1偏位です。Hess赤緑試験では固視眼に赤ガラスを装用するので、右眼を測定するときは左眼に赤ガラスを入れます。

選択肢の確認

1.複視は右方視で増強する。
正しい。図が示す麻痺の方向と複視が増強する方向が一致しない。

2.第1 眼位で内斜視を認める。
誤り。第1眼位で内斜視を認めるという記述は図に合致する。

3.右眼の内直筋に過動がみられる。
誤り。はりあい筋である右眼内直筋の過動という記述は図に合致する。

4.左眼の所見は第1 偏位を表している。
誤り。健眼固視時の記録が第1偏位を表すという記述は正しい。

5.右眼の測定時に赤ガラスは左眼に挿入する。
誤り。赤ガラスは固視眼に挿入するという記述は正しい。

覚えるポイント

  • Hess図で小さい図が麻痺眼。最も引き込まれた方向が麻痺筋の作用方向。
  • 複視は麻痺筋の作用方向で最大となる。
  • 糖尿病は虚血性の眼球運動神経麻痺の代表的原因。多くは数か月で回復する。

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