60AM095|第60回 理学療法士国家試験 過去問
高齢者の歩行の特徴で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2.歩幅の減少
この問題のポイント
高齢者の歩行において、最も顕著な変化は「歩幅の減少」である。加齢に伴う筋力低下、バランス機能の減少、および中枢制御の変化が、一歩の長さを短くする要因となる。この変化は、歩行速度の低下と密接に関連しており、日常生活における移動の困難を引き起こす重要な指標となる。
解説
高齢者の歩行では、歩幅の減少が最も典型的な特徴である。筋力の低下により、足を前に出す際の主動的力が不足し、歩幅を維持することが難しくなる。また、バランスの維持が困難になるため、歩行中に「重複歩」と呼ばれる、足を前に出す際の不自然な動きが増える。これにより、歩幅が縮まり、歩行の安定性が損なわれる。
一方、遊脚期(片脚を前に出す間)は、加齢に伴って短縮される傾向にある。これは、バランスを保つために両脚の支持時間(両脚支持期)が延び、より安定した歩行を維持しようとするためである。歩行率(ケイデンス)は、速度の低下に伴い減少し、増加とは言えない。歩隔(左右の足の間隔)は、バランスを補うためにむしろ拡大される傾向にある。
したがって、高齢者の歩行において「歩幅の減少」は、臨床的にも頻出する特徴であり、評価や介入の際に重要なパラメータとなる。
選択肢の確認
1.歩隔の減少:錯誤。バランス維持のために歩隔は拡大される。
2.歩幅の減少:正しい。筋力・バランス低下により顕著に減少。
3.歩行率の増加:錯誤。歩行速度の低下に伴い、歩行率は減少。
4.遊脚期の延長:錯誤。遊脚期は短縮される傾向にある。
5.両脚支持期の短縮:錯誤。安定性を高めるために延長される。
覚えるポイント
「高齢者=歩幅が短い」は、日常的な観察からも確認できる。歩幅の減少は、歩行の不安定性や転倒リスクの増加と密接に関連しており、評価・介入においては、その変化を把握することが重要である。