第108回

108PM032|第108回 保健師国家試験 過去問

2つ選択

学校教育法で定められているのはどれか。2つ選べ。

解答・解説を見る

正解3・5

正答

3.健康診断の実施
5.養護教諭の配置義務

この問題のポイント

学校の健康に関わる事項が、学校教育法・学校保健安全法・食育基本法・文部科学省設置法のどれに定められているかを見分ける問題です。学校教育法は、学校の種類、置くべき職員、健康診断を行う義務の大枠といった学校制度の骨格を定めています。そのうえで、保健の具体的な中身は学校保健安全法などの個別法に委ねています。この法体系の関係が判断の鍵になります。

解説

学校教育法が定めること

学校教育法は、学校の定義と種類、各学校の目的・目標、修業年限、置くべき職員など、学校制度の基本を定める法律です。

健康については、第12条で「学校においては、別に法律で定めるところにより、幼児、児童、生徒及び学生並びに職員の健康の保持増進を図るため、健康診断を行い、その他その保健に必要な措置を講じなければならない」と規定しています。つまり、健康診断を行う義務そのものは学校教育法に根拠があります。「別に法律で定めるところ」にあたるのが学校保健安全法で、健康診断の具体的な内容はそちらで定められています。

職員については、第37条で、小学校には校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならないと定めています。この規定は中学校などにも準用されます。同条では、養護教諭の職務を「児童の養護をつかさどる」と規定しています。小・中学校で養護教諭が法律上の必置職員であるのは、この学校教育法の規定によるものです。これに対し、高等学校や幼稚園では、養護教諭は「置くことができる」職員にとどまります。

学校保健安全法が定めること

学校保健安全法は、2008年に学校保健法から改正・改称され、2009年に施行されました。学校における保健管理と安全管理について、具体的な仕組みを定める法律です。主な内容は次のとおりです。

  • 学校保健計画・学校安全計画の策定、保健室の設置、健康相談、保健指導
  • 健康診断の実施主体
    • 就学時健康診断:市町村の教育委員会
    • 児童生徒等の定期健康診断:学校
    • 職員の健康診断:学校の設置者
  • 感染症予防のための出席停止(校長)と臨時休業(学校の設置者)
  • 学校医・学校歯科医・学校薬剤師の配置

定期健康診断の時期(毎学年6月30日まで)や検査項目、事後措置(21日以内に結果を通知)などの細目は、学校保健安全法施行規則で定められています。

周辺の法律

  • 「学校保健」という用語は、文部科学省設置法の所掌事務の規定の中で、「学校における保健教育及び保健管理」と定義されています。
  • 食育の推進は、食育基本法(2005年制定)が基本理念と国・地方公共団体等の責務を定めています。学校給食法も、学校における食育の推進を目的に掲げています。

正答に至る判断

設問は「学校教育法で定められているのはどれか」です。各選択肢について、根拠となる法律がどれかを考えます。

  • 健康診断の実施:学校教育法第12条に義務の規定がある
  • 養護教諭の配置義務:学校教育法第37条に必置職員として規定がある
  • 食育:食育基本法
  • 学校保健の定義:文部科学省設置法
  • 臨時休業:学校保健安全法。ただし実施基準の数値は法令にない

健康診断は、義務の大枠が学校教育法、具体的な内容が学校保健安全法、細目が施行規則という三層構造になっています。この構造を理解しておくと、健診に関する問題で迷いにくくなります。

保健師が学校と連携する場面でも、この知識は役立ちます。たとえば、感染症の集団発生時に臨時休業を決めるのは学校の設置者(公立学校なら教育委員会)です。保健所は疫学情報の提供や助言で関わります。こうした権限と所管を正しく理解していることが、円滑な連携の前提になります。

選択肢の確認

1.食育の推進:食育の推進は食育基本法が基本理念や施策を定める事項で、学校教育法の規定ではありません。学校での食育は学校給食法にも位置づけられています。なお、学校教育法には、栄養の指導及び管理をつかさどる栄養教諭という職の規定があります。職の規定と「食育の推進」そのものの規定を混同しないよう注意します。

2.学校保健の定義:「学校保健」を学校における保健教育及び保健管理と定義しているのは文部科学省設置法であり、学校教育法ではありません。学校保健安全法と取り違えやすいですが、同法の定義規定(第2条)で定めているのは「学校」と「児童生徒等」です。学校保健という語の定義は置かれていません。

3.健康診断の実施:正答。学校教育法第12条が、学校は児童生徒等と職員の健康の保持増進のために健康診断を行わなければならないと定めています。実施時期・検査項目・事後措置などの具体的内容は、学校保健安全法とその施行規則が定めています。

4.学級閉鎖の実施基準:学級閉鎖は学校の一部の臨時休業にあたり、その根拠は学校保健安全法です。同法は、学校の設置者が感染症予防上必要なときに臨時休業を行えると定めています。一方、「欠席率が何%になったら閉鎖する」といった数値の基準は法令にはありません。設置者が地域の流行状況などを踏まえて判断します。

5.養護教諭の配置義務:正答。学校教育法第37条は、小学校に置かなければならない職員として養護教諭を挙げており、この規定は中学校などにも準用されます。養護教諭の職務(児童の養護をつかさどる)も同条に規定されています。

覚えるポイント

  • 学校教育法は学校制度の骨格を定める法律です。健康診断を行う義務(第12条)と、小・中学校の養護教諭の必置(第37条)はこの法律に規定されています。
  • 学校保健安全法は健康診断・健康相談・保健指導・感染症対策・学校医等の具体的な仕組みを定めています。定期健康診断は毎学年6月30日まで、結果の通知は21日以内です(同法施行規則)。
  • 出席停止を行うのは校長、臨時休業(学級閉鎖・学校閉鎖)を行うのは学校の設置者です。学級閉鎖の数値基準は法令にありません。
  • 「学校保健=保健教育+保健管理」という定義は、文部科学省設置法に置かれています。
  • 食育の推進は食育基本法と学校給食法、栄養教諭という職の規定は学校教育法です。
  • 養護教諭は小・中学校では必置、高等学校・幼稚園では「置くことができる」職員です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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