第109回
109AM012|第109回 保健師国家試験 過去問
学校生活管理指導表について正しいのはどれか。
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正解4
正答
4.対象は心疾患、腎疾患、アレルギー疾患を有する児童生徒である。
この問題のポイント
学校生活管理指導表について、誰が記入し、誰が対象で、どんな種類があり、どう提出されるかを問う知識問題です。押さえる点は次の3つです。
- 記入するのは主治医などの医師です。
- 様式は小学生用、中学・高校生用、アレルギー疾患用の3種類です。
- 提出は学校の依頼と病状に応じた更新で行い、法令で定められた年1回の義務ではありません。
この3点を知っていれば、対象疾患を正しく述べた選択肢4だけが残ります。
解説
学校生活管理指導表は、病気のある児童生徒が学校で安全に過ごせるように、医師の判断を学校に伝えるための共通様式です。必要以上に活動を制限しないことも目的に含まれます。公益財団法人日本学校保健会が作成しており、学校はこれをもとに体育、部活動、学校行事、給食などでの具体的な配慮を決めます。
心疾患・腎疾患などの様式(小学生用/中学・高校生用)
- 次のような児童生徒について作成されます。
- 学校心臓検診や学校検尿で管理が必要と判断された児童生徒(心電図検査は小学校・中学校・高等学校の第1学年で行います)
- すでに治療を受けている児童生徒
- 医師は5段階の「指導区分」を記入し、運動部活動の可否も示します。
- A:在宅医療・入院が必要
- B:登校はできるが運動は不可
- C:軽い運動は可
- D:中等度の運動まで可
- E:強い運動も可
- 運動の強さは「軽い運動」「中等度の運動」「強い運動」に分けられています。発達段階に応じた具体的な運動例も示されているため、教員は授業内容と照らし合わせて参加の範囲を判断できます。
- 次回受診の時期を書く欄があり、見直しの時期は病状に応じて医師が決めます。
アレルギー疾患用
- 対象は、食物アレルギー・アナフィラキシー、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎の5つです。
- 記入する内容は、病型と治療、学校生活上の留意点、緊急時の連絡先です。留意点には、給食、食物・食材を扱う授業や活動、運動、宿泊を伴う校外活動などが含まれます。
- 緊急時に備えた処方薬として、アドレナリン自己注射薬(エピペン)の有無なども記入します。
- 学年による区別はなく、小学生から高校生まで共通の1種類です。
- 学校は「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に沿って、保護者の同意のもとで内容を教職員全体で共有し、日常の対応や緊急時の対応に生かします。
- 就学前の保育所では、厚生労働省のガイドラインに基づく「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」が使われます。
運用の流れ
- 学校が、管理や配慮が必要な児童生徒の保護者に提出を依頼します。
- 保護者が主治医に記入してもらい、学校へ提出します。
- 学校では養護教諭が中心となって内容を確認し、学級担任、体育担当教員、栄養教諭、学校医などと共有して、個別の対応を決めます。
養護教諭は記入する人ではなく、受け取った指導表を校内で生かし、関係者を調整する立場です。
保健師にとっては、慢性疾患やアレルギーのある子どもが入園・入学・進学するときに役立つ知識です。乳幼児期から把握している健康情報をもとに、保護者、医療機関、学校がつながるよう支援する場面で必要になります。
以上から、選択肢1は記入者を、選択肢2は提出の性格を、選択肢3は様式の種類を取り違えています。正答は選択肢4です。
選択肢の確認
1.養護教諭が記載する。:指導表に記入するのは、児童生徒を診療している主治医などの医師です。指導区分や運動の可否、アレルギーの病型、緊急時の処方薬といった内容は医学的な判断そのものであり、養護教諭が決めることはできません。養護教諭の役割は、提出された指導表を確認し、教職員間で共有して校内の対応を調整することです。役割が大きいため記入者と取り違えやすい点に注意します。
2.年に1回、学校へ提出しなければならない。:提出は、学校が配慮や管理の必要な児童生徒について保護者を通じて求めるものです。法令で年1回の提出が一律に義務づけられているわけではありません。心疾患・腎疾患の様式では次回受診の時期を医師が記入し、病状や治療が変われば随時書き直されます。アレルギー疾患では、管理が続く間は年度ごとに提出を求めて内容を更新する運用が勧められています。ただし、これは適切な管理のための運用であり、「しなければならない」という義務とは性格が異なります。
3.小学生用と中学・高校生用の2つに分かれている。:心疾患・腎疾患などの様式には、確かに小学生用と中学・高校生用があります。しかし、これとは別にアレルギー疾患用の様式があるため、全体を「2つ」とするのは不正確です。心疾患・腎疾患の様式が学年で分かれているのは、発達段階によって体育で行う運動の内容や強さが違うためです。アレルギー疾患用は学年ではなく疾患ごとに欄が設けられている点が異なります。
4.対象は心疾患、腎疾患、アレルギー疾患を有する児童生徒である。:正答。学校生活管理指導表には、心疾患・腎疾患などの慢性疾患の様式と、アレルギー疾患用の様式があります。学校検診や診療で管理が必要とされた児童生徒について、医師が運動や学校生活での配慮を具体的に示すものです。
覚えるポイント
- 学校生活管理指導表は、主治医などの医師が記入し、保護者を通じて学校へ提出します。養護教諭は受け取って校内で共有・調整する役割です。
- 様式は、小学生用、中学・高校生用(心疾患・腎疾患など)、アレルギー疾患用(小学生から高校生まで共通)の3種類です。保育所では「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を使います。
- 指導区分はAからEの5段階です(A:在宅医療・入院、B:登校可・運動不可、C:軽い運動可、D:中等度の運動まで可、E:強い運動も可)。
- アレルギー疾患用の対象は、食物アレルギー・アナフィラキシー、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎の5つです。
- 提出は法令上の年1回義務ではなく、学校の依頼と病状に応じた見直しで行います。管理が必要な子どもを見つけるきっかけとなる学校健診では、心電図検査が小・中・高の第1学年で行われます。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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