第109回

109AM032|第109回 保健師国家試験 過去問

2つ選択

持続可能な開発目標〈SDGs〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

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正解2・5

正答

2.17分野の目標で構成されている。
5.ミレニアム開発目標〈MDGs〉の後継として採択された。

この問題のポイント

国際保健の基本枠組みである持続可能な開発目標〈SDGs〉の成り立ちと構成を問う問題です。判断の鍵は次の5点で、前身のミレニアム開発目標〈MDGs〉と比べながら整理できているかが問われます。

  • いつ、どこで採択されたか
  • 何年までに達成するか
  • いくつの目標で構成されるか
  • どの国を対象とするか
  • 前身は何か

解説

SDGsの成り立ちと前身のMDGs

SDGsは、2015年9月にニューヨークの国連本部で開かれた国連持続可能な開発サミットで採択されました。193の国連加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核をなす目標で、形式上は国連総会の決議です。

  • 期間:2016年から2030年までの15年間
  • 構成:17のゴールと169のターゲット
  • 評価:進捗は指標によって測定する

前身のMDGsは、2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言をもとにまとめられ、2015年を達成期限としていました。8つのゴールは次のとおりです。

  • 極度の貧困と飢餓の撲滅
  • 初等教育の完全普及
  • ジェンダー平等の推進
  • 乳幼児死亡率の削減
  • 妊産婦の健康の改善
  • HIV/エイズ・マラリアなどの蔓延防止
  • 環境の持続可能性の確保
  • 開発のためのグローバル・パートナーシップ

8つのうち3つが保健に直結していた点が特徴です。主な対象は開発途上国で、先進国は援助する側という位置づけでした。MDGsは一定の成果をあげましたが、地域や集団による格差などの課題が残りました。これを引き継ぎ、期限後の国際目標として策定されたのがSDGsです。

SDGsの特徴

  • 普遍性:開発途上国だけでなく、先進国を含むすべての国が取り組みます。日本も、高齢化や格差、ジェンダー平等などの課題を抱える当事者です。
  • 包摂性:「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を理念に掲げています。
  • 統合性:経済・社会・環境の3側面を一体として扱います。対象は、貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、水と衛生、エネルギー、雇用、不平等、都市、気候変動、海洋、陸上生態系、平和、パートナーシップと幅広い分野に及びます。
  • 参画型:政府だけでなく、企業、市民社会、自治体など多様な主体の参加を求めています。

保健分野の中心はゴール3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」です。ターゲットには次のようなものが含まれます。

  • 妊産婦死亡、新生児死亡、5歳未満児死亡の削減
  • 感染症対策
  • 非感染性疾患〈NCDs〉による早期死亡の削減
  • ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ〈UHC〉の達成

健康はほかのゴールとも深く関わります。たとえばゴール2(飢餓・栄養)、ゴール5(ジェンダー平等)、ゴール6(安全な水と衛生)です。これは、健康の社会的決定要因の考え方と重なります。

保健師活動との関係

日本では2016年に、内閣総理大臣を本部長とするSDGs推進本部が設置され、実施指針が策定されました。自治体でも、総合計画や健康増進計画にSDGsの視点を取り入れる例が広がっています。保健師が地域で健康格差の縮小や、社会的に弱い立場にある人々への支援に取り組むことは、「誰一人取り残さない」という理念を地域レベルで具体化する活動といえます。

冒頭の5点を確認すると、正しい記述は選択肢2と選択肢5に絞られます。

選択肢の確認

1.2025年を達成年限としている。:SDGsの達成年限は2030年で、採択文書の名称「2030アジェンダ」にも年限が示されています。前身のMDGsの期限は2015年でした。「2015年から2030年へ」という流れで覚えておくと、2025年のような紛らわしい数字に惑わされません。

2.17分野の目標で構成されている。:正答。SDGsは17のゴールと、それを具体化した169のターゲットで構成されています。MDGsの8ゴールと比べると、環境、エネルギー、都市、生産と消費、平和など、扱う範囲が大きく広がりました。

3.国際連合児童基金〈UNICEF〉で採択された。:SDGsは国連持続可能な開発サミットで、国連加盟国により国連総会決議として採択されました。UNICEFは子どもの生存・健康・教育・保護を支援する国連機関であり、SDGsの達成に向けて活動する実施機関の一つです。UNICEFが共催した国際会議としては、WHOと開いた1978年のプライマリヘルスケアに関する国際会議(アルマ・アタ宣言)が有名で、これと混同しないよう注意します。

4.開発途上国が目指す目標を中心に構成された。:開発途上国を主な対象としたのは、前身のMDGsの特徴です。SDGsは先進国を含むすべての国が取り組む普遍的な目標です。この点はMDGsとの最も大きな違いとして繰り返し問われます。

5.ミレニアム開発目標〈MDGs〉の後継として採択された。:正答。2015年に期限を迎えたMDGsの成果と残された課題を引き継ぎ、その後の国際目標としてSDGsが採択されました。MDGsで達成しきれなかった課題に加え、格差の是正や気候変動など新たな課題も盛り込まれています。

覚えるポイント

  • SDGs:2015年9月の国連サミットで採択、期間は2016〜2030年、17ゴール・169ターゲット、すべての国が対象、理念は「誰一人取り残さない」
  • MDGs:2000年の国連ミレニアム・サミットが起点、期限は2015年、8ゴール、主な対象は開発途上国
  • 保健の中心はゴール3(すべての人に健康と福祉を)で、UHCの達成もそのターゲットに含まれる
  • 国際保健の流れ:アルマ・アタ宣言(1978年、WHO・UNICEF共催、プライマリヘルスケア)→オタワ憲章(1986年、WHO、ヘルスプロモーション)→MDGs(2000年)→SDGs(2015年)
  • 「2025年」「UNICEFで採択」「途上国中心」は、MDGsやほかの宣言との取り違えを狙った典型的な誤りの選択肢

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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