110AM004|第110回 保健師国家試験 過去問
Aさん(56歳、男性)は、仕事の忙しさと職場の人間関係に悩み、夜間に熟睡できていない。気持ちが晴れない日が月に3、4回あり、その都度会社を休む。Aさんの妻はこれをきっかけに体調を崩すことが増え、家事を十分にできずにいる。娘は部屋に閉じこもりがちで中学校に行けなくなってしまった。家族システム理論におけるAさん家族の状況はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
家族システム理論では、家族員の問題を一方向の原因と結果で捉えず、相互作用が繰り返される循環として理解します。本例は父、母、娘の状態が互いに影響し合っています。
解説
Aさんの仕事上の悩みと不眠、欠勤だけを孤立した問題とみなすのではなく、妻の体調不良と家事困難、娘の閉じこもりと不登校が相互に影響し、家族全体の状態を形づくっていると捉えます。どれか一つが単独の原因という直線的因果ではなく、反応が次の反応を生み、再び元の家族員へ影響するため、循環的因果関係が該当します。
選択肢の確認
1.恒常性:変化が起きても家族システムを元の安定状態へ保とうとする働きであり、本例の相互影響そのものを表す語ではありません。
2.組織性:家族が役割や階層をもつ組織として成り立つ性質を指し、問題が相互に増幅する関係の説明ではありません。
3.非累積性:家族全体は個々の家族員の単純な総和では説明できないという性質であり、ここで強調される因果の連鎖とは異なります。
4.循環的因果関係:Aさん、妻、娘の状態が相互に原因にも結果にもなって影響し続ける状況に合います。
覚えるポイント
家族の反応が互いに影響し合うときは「誰が原因か」ではなく、関係が一周して続く循環的因果関係として捉えます。