112AM023第112回 保健師国家試験 過去問

保健師が乳児健康診査の面接で母子健康手帳を確認したところ、予防接種の接種歴がなかった。両親に確認すると、母親は「予防接種を受けさせたくない」と言い、父親は「他の家庭のように接種させたいのに困る」と言う。両親は互いの意見が合わずに悩んでいることがわかった。倫理的課題に対する両親の意思決定を支援するために、保健師が最初に行うことはどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

価値観が対立する意思決定支援では、説得や情報提供を急がず、まず当事者がその選択を望む理由・不安・価値を理解する。

解説

母親の接種拒否には、副反応への恐れ、過去の経験、情報への不信、家族の価値観など複数の背景があり得る。理由を非難せず開かれた質問で聞くことで、母親の自律性を尊重しつつ、父親との相違の焦点と必要な情報を明らかにできる。その後、乳児の利益と安全、接種しない場合の感染リスク、副反応と救済制度を分かりやすく共有し、両親が納得して選べるよう支援する。パンフレットや必要性の説明を先に行うと一方向の説得と受け取られ得る。父親の困り事も聴く必要はあるが、明示された拒否理由の把握が最初である。

選択肢の確認

1.母親に予防接種のパンフレットを渡す。:情報提供は後に必要だが、懸念の内容を把握せず渡すだけでは意思決定支援になりにくい。
2.母親に予防接種を受けさせたくない理由を聞く。:拒否の背景となる不安・経験・価値を理解し、対話の出発点を作る最初の対応である。
3.父親にどのように困っているかを聞く。:父親の思いも重要だが、まず接種拒否を表明した母親の理由を具体的に把握する。
4.夫婦でよく話し合うように勧める。:話合いを促す前に、対立している論点と双方の価値を保健師が丁寧に整理する必要がある。
5.夫婦に予防接種の必要性を伝える。:医学的説明は必要だが、最初から結論へ誘導せず、本人の懸念を聴いてから行う。

覚えるポイント

倫理的葛藤では「まず聴く→価値と懸念を整理→利益・不利益を共有→自律的決定を支える」。

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