112PM010|第112回 保健師国家試験 過去問
保健所の保健師は指定難病のAさん(78歳、女性)の家庭訪問をした際に、Aさんの腕に多くの新旧のあざがあることに気付いた。詳細を聞くと、介護者である同居の息子が毎日のように暴力を振るうと話し、胸部や腹部にもあざが確認できた。保健師は市の高齢福祉課と連携して支援するために情報共有をしたいと考えたが、Aさんの同意が得られなかった。保健所に戻った保健師がこの日に行う高齢者虐待への対応で適切なのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
高齢者虐待を疑い生命・身体への危険がある場合、本人の同意がなくても市町村へ速やかに通報・情報共有し安全を確保する。
解説
新旧多数のあざと毎日の暴力が確認され、Aさんには継続的な身体虐待と重大な危険がある。高齢者虐待防止法では、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は市町村へ通報し、生命・身体に重大な危険がある場合は速やかな対応が必要である。守秘義務はこの通報を妨げず、本人の同意を待たない。保健師は市の高齢福祉課と直ちに情報共有し、緊急性、医療、分離保護、息子への支援等を協働で検討する。
選択肢の確認
1.福祉事務所に通報する。:通報先は市町村の高齢者虐待対応窓口であり、本事例では高齢福祉課と連携する。
2.市の高齢福祉課と情報共有する。:身体安全のため本人同意がなくても市町村担当課へ直ちに共有する。
3.1週間後の家庭訪問の計画を立てる。:毎日の暴力と胸腹部のあざがあり、1週間待つと重大な再被害の危険がある。
4.Aさんに電話をして同意が得られるまで説得する。:同意獲得を対応の条件にせず、通報と安全確認を優先する。
覚えるポイント
虐待対応は「疑いでも通報・同意不要・安全優先」。本人と加害者双方の支援は安全確保後に組み立てる。