21AM010|第21回 言語聴覚士国家試験 過去問
実際に存在する対象を誤って知覚するのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
(1)
この問題のポイント
錯覚は実際に存在する外界刺激を誤って知覚する現象である。刺激がないのに知覚体験が生じる幻覚と区別する。
解説
知覚の異常を判断するときは、知覚の出発点となる対象が現実にあるかを確認する。薄暗い場所の縄を蛇と見誤るように、刺激自体は存在するが性質を取り違えるのが錯覚である。幻覚は外界に対応する刺激がないにもかかわらず、声が聞こえる、物が見えるなど現実感を伴う知覚が生じる。連想は観念同士の結び付きで病的知覚ではない。妄想気分と妄想着想は思考内容の異常に属し、対象を感覚的に取り違える現象ではない。
選択肢の確認
1.「錯覚」:錯覚は存在する対象を別のものとして知覚するため、設問の定義に一致する。注意や情動、環境条件で健常者にも起こり得る。
2.「幻覚」:幻覚は対応する実在刺激がないのに生じる知覚体験であり、『実際に存在する対象』があるという条件と異なる。
3.「連想」:連想は一つの観念から関連する別の観念が浮かぶ心的過程で、知覚対象の誤認ではない。
4.「妄想気分」:妄想気分は周囲が不気味で何か重大なことが起こると確信する雰囲気で、具体的対象の感覚的取り違えではない。
5.「妄想着想」:妄想着想は根拠なく突然ある考えを妄想的確信として思い付く現象で、知覚ではなく思考内容の障害である。
覚えるポイント
対象あり+取り違え=錯覚、対象なし+知覚体験=幻覚、誤った確信=妄想。まず知覚か思考かを分ける。