21AM093|第21回 言語聴覚士国家試験 過去問
加齢性難聴について誤っているのはどれか。
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正解: 5
正答
(5)
この問題のポイント
加齢性難聴では蝸牛だけでなく聴覚中枢の時間処理・統合や認知的聴取も低下し得る。『聴覚中枢機能は保持される』は誤りである。
解説
加齢性難聴は通常、左右ほぼ対称の高音漸傾型感音難聴として始まり、進行すると中低音にも及ぶ。末梢の有毛細胞・血管条・神経変性に加え、中枢聴覚路の時間分解能、両耳統合、雑音下聴取なども加齢の影響を受ける。そのため純音閾値だけでは説明しにくい語音明瞭度低下や雑音下の困難が生じる。補聴器で十分な理解が得られない両側高度~重度例は、年齢だけで除外せず人工内耳の適応評価を行う。左右差が著しい場合は別の耳疾患も検討する。
選択肢の確認
1.「左右耳の聴力差は少ない。」:加齢性難聴は一般に左右ほぼ対称に進行し、大きな左右差があれば他疾患の併存を疑う。
2.「徐々に中低音も悪化する。」:初期は高音域が中心だが、進行に伴って中音・低音域の閾値も徐々に悪化し得る。
3.「語音明瞭度が低下する。」:蝸牛神経・中枢処理の影響もあり、語音明瞭度、とくに雑音下の理解が低下する。
4.「人工内耳の適応になる。」:補聴器で十分な効果がない高度~重度の両側感音難聴では、高齢者でも人工内耳適応になり得る。
5.「聴覚中枢機能は保持される。」:聴覚中枢の時間・統合処理も加齢変化を受けるため、機能が保持されるという断定が誤りである。
覚えるポイント
加齢性難聴は対称性高音障害から進行し、語音理解と中枢処理も低下する。年齢だけで人工内耳を除外しない。