68PM003|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
尿沈渣の無染色標本及び Sternheimer 染色標本を別に示す。 矢印が示す構造物はどれか。

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正解: 1
正答
1(顆粒円柱)
この問題のポイント
尿細管内で作られた円柱の輪郭を捉え、内部が細胞ではなく多数の顆粒で満たされていることから種類を判定する問題です。
解説
提示画像Aは無染色標本、BはSternheimer染色標本です。いずれも白い矢印の先に、両側がほぼ平行な細長い円柱状構造があり、その内部には大小の粒状物が密に詰まっていることを実際に確認できます。Bでは円柱内部の顆粒が赤紫色に染まり、輪郭と内容がより明瞭です。この所見が顆粒円柱です。尿円柱は主に遠位尿細管から集合管で、uromodulin(Tamm-Horsfall蛋白)を基質として尿細管腔の形に形成されます。顆粒円柱の顆粒は尿細管上皮細胞や細胞成分が変性・崩壊して生じることが多く、細顆粒状から粗顆粒状まであります。少数なら非特異的なこともありますが、多数の出現は尿細管障害など腎実質性病変を考える手掛かりです。本画像では脂肪滴、明瞭な上皮細胞、赤血球を個々に識別できず、均質で透明な硝子円柱でもありません。
選択肢の確認
1.正しい。A・Bとも円柱状基質の内部を多数の顆粒が満たしており、顆粒円柱の形態に一致します。
2.誤り。脂肪円柱では円柱内に屈折性の強い脂肪滴や卵円形脂肪体がみられ、偏光でMaltese crossを示すことがありますが、画像では確認できません。
3.誤り。硝子円柱はほぼ無色透明で均質な蛋白基質からなり、位相差をつけないと見逃すほど淡いことがあります。画像の密な顆粒とは異なります。
4.誤り。上皮円柱なら円柱基質内に尿細管上皮細胞の核や細胞輪郭を複数識別しますが、画像は細胞ではなく顆粒状内容です。
5.誤り。赤血球円柱では均一な円盤状の赤血球が円柱内に集まり、糸球体性血尿を示唆しますが、本画像にその形態はありません。
覚えるポイント
- 円柱はuromodulinを基質として遠位尿細管・集合管で形成されます。
- 顆粒円柱は円柱内を細顆粒または粗顆粒が満たします。
- 脂肪滴・上皮細胞・赤血球を個別に見分けて他の円柱と鑑別します。
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