68PM064|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
末-血の May-Giemsa 染色標本を別に示す。 認められるのはどれか。

解答・解説を見る
正解: 5
正答
5(涙滴赤血球)
この問題のポイント
May-Giemsa染色された赤血球の輪郭を観察し、片端だけが細く尖る涙滴形を他の異常赤血球から見分ける問題です。
解説
実画像では、赤血球の多くが円盤状ではなく、片側が丸く、反対側が細長く尖った洋梨形・涙滴形を示しています。尖った方向は一方向にそろわず、標本内でさまざまな向きを向いています。右下には分葉核をもつ好中球、上方中央付近には小さな紫色の血小板がみえ、右下に20 µmのスケールバーがあります。矢印や細胞ラベルはありません。この赤血球形態は涙滴赤血球(dacryocyte)です。骨髄線維症や癌の骨髄転移など、線維化・占拠によって赤血球が骨髄から押し出される過程で変形すると考えられ、髄外造血を伴う病態でも増えます。ただし、この画像だけで原因疾患まで確定はできません。塗抹操作によるアーチファクトでは尖端が同じ方向に並びやすいため、方向がばらばらの真の涙滴形と区別します。中央が的のように濃い標的赤血球、三日月状の鎌状赤血球とは輪郭が異なります。
選択肢の確認
1.誤り。鎌状赤血球は両端が尖った細長い三日月形・鎌形を示します。画像は片端だけが細くなる洋梨形です。
2.誤り。菲薄赤血球はヘモグロビン量が少なく中央淡明が広い薄い赤血球で、片端が尖ることを定義としません。
3.誤り。標的赤血球は中央にヘモグロビンが残り、その周囲に淡明帯、さらに外周の着色帯がある標的状の像です。
4.誤り。有核赤血球では赤血球大の細胞内に濃染する円形核を認めます。画像中の多数の異常赤血球に核はみえません。
5.正しい。片側が丸く他端が細く伸びた赤血球が多数あり、涙滴赤血球の形態に一致します。
覚えるポイント
- 涙滴赤血球は片端が細く尖る洋梨形です。
- 多数の涙滴赤血球では骨髄線維化や骨髄占拠性病変を考えます。
- 塗抹アーチファクトは尖端の向きがそろいやすい点で鑑別します。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。