115C073|第115回 歯科医師国家試験 過去問
抜歯を伴うマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療において、上顎で最大の 固定、下顎で最小の固定とするのに用いるのはどれか。 2つ選べ。
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正解: a・d
正答
a、d
この問題のポイント
抜歯空隙閉鎖で、上顎は臼歯の近心移動を防ぐ最大の固定、下顎は臼歯を積極的に近心移動させる最小の固定とします。ヘッドギアとⅡ級ゴムを用います。
解説
矯正治療における固定とは、動かしたくない歯が反作用で移動することに抵抗する能力です。
上顎で最大の固定を得るには、上顎大臼歯の近心移動をできるだけ防ぐ必要があります。ヘッドギアは口腔外を固定源として上顎大臼歯へ遠心方向の力を加え、上顎臼歯の固定を強化します。
Ⅱ級ゴムは、一般に上顎前方部から下顎臼歯部へ装着します。上顎歯列には遠心方向、下顎歯列には近心方向の力が加わります。そのため、上顎前歯を後方へ移動させるのを助けながら、下顎臼歯を近心移動させ、下顎を最小固定として空隙閉鎖するのに適します。
Ⅲ級ゴムは力の方向が逆で、上顎臼歯を近心へ、下顎前方部を遠心へ動かす傾向があります。交叉ゴムは頰舌的な交叉咬合の改善に用います。
ひっかけポイント
Ⅱ級ゴムは上顎を遠心方向、下顎を近心方向へ動かすと整理します。固定の強弱と力の方向を同時に考えます。
選択肢の確認
a.Ⅱ級ゴム
正しい。
上顎歯列へ遠心方向、下顎臼歯部へ近心方向の力を加えます。上顎最大固定・下顎最小固定という目的に合います。
b.Ⅲ級ゴム
誤り。
上顎臼歯を近心方向へ、下顎歯列を遠心方向へ動かす傾向があり、本問の固定計画と反対です。
c.交叉ゴム
誤り。
頰側と舌側の歯を結んで交叉咬合を改善する顎間ゴムです。前後的な固定強化・固定減弱を目的とするものではありません。
d.ヘッドギア
正しい。
口腔外固定を利用して上顎大臼歯の近心移動を抑え、上顎の最大固定を得ます。
e.チンキャップ
誤り。
下顎骨の成長方向や下顎位に作用させる顎外装置です。抜歯空隙閉鎖における上顎最大固定・下顎最小固定のための装置ではありません。
覚えるポイント
- 最大固定では固定歯の移動を最小限にします。
- 上顎最大固定にはヘッドギアが有効です。
- Ⅱ級ゴムは上顎を遠心、下顎を近心方向へ作用させます。