116C040|第116回 歯科医師国家試験 過去問
31 歳の女性。前歯部の咬み合わせの異常を主訴として来院した。家族から睡眠 中のいびきを指摘されることがあるという。BMI は33、AHI は18、アーチレング スディスクレパンシーは上顎‒ 7 mm、下顎‒ 4 mm である。初診時の口腔内写真 (別冊No. 13A)とエックス線画像(別冊No. 13B)を別に示す。セファロ分析の結 果を図に示す。 適切な治療方針はどれか。4 つ選べ。

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正解: a・b・d・e
正答
a、b、d、e
この問題のポイント
肥満と中等度の閉塞型睡眠時無呼吸を伴う成人の顎変形症では、全身評価、気道、骨格、歯列の叢生を統合して治療計画を立てます。
解説
BMI 33、AHI 18であり、閉塞型睡眠時無呼吸症への内科的評価と体重管理が必要です。セファロ分析と口腔内所見から下顎後退を伴う骨格性Ⅱ級が考えられ、気道を拡大する方向の下顎前方移動術が適します。
上下顎にアーチレングスディスクレパンシーがあるため、術前矯正で必要な抜歯による空隙確保も検討します。上顎骨後方移動は咽頭気道を狭窄させる方向であり、睡眠時無呼吸を伴う本症例では不適切です。
治療選択のポイント
骨格だけでなく、BMI、AHI、気道への影響、上下顎それぞれのディスクレパンシーを同時に評価します。
画像の確認
実画像では、上下顎前歯部に叢生があり、側方咬合写真では大きな水平被蓋と下顎歯列の遠心関係がみえる。セファロ図もSNBの負側偏位とANBの正側偏位を示し、下顎後退型の骨格性II級を支持する。BMI 33・AHI 18と合わせ、内科紹介、気道を広げる下顎前方移動、上下顎の不足空隙に対する第一小臼歯抜歯を選び、気道を狭め得る上顎後方移動は除く。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
正しい。選択肢a(問題画像参照)は内科への紹介であり、肥満とAHI 18を踏まえた睡眠時無呼吸の全身評価・管理に必要です。
b.選択肢b(問題画像参照)
正しい。選択肢b(問題画像参照)は下顎骨前方移動術であり、骨格性下顎後退と上気道狭窄の改善に適します。
c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。選択肢c(問題画像参照)は上顎骨後方移動術であり、咽頭気道を狭める可能性があるため本症例の方針に適しません。
d.選択肢d(問題画像参照)
正しい。選択肢d(問題画像参照)は上顎の抜歯による空隙確保であり、上顎のアーチレングスディスクレパンシー改善に用います。
e.選択肢e(問題画像参照)
正しい。選択肢e(問題画像参照)は下顎の抜歯による空隙確保であり、下顎の叢生改善と術前矯正に必要です。
覚えるポイント
- 睡眠時無呼吸を伴う顎変形症では気道を考慮する。
- 下顎前方移動は上気道拡大に寄与する。
- 術前矯正では上下顎の叢生量に応じて空隙を確保する。