117A090第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

22 歳の女性。歯並びが悪いことを主訴として来院した。第一大臼歯の咬合関係 は両側AngleⅠ級である。検査の結果、arch length discrepancy は上下顎ともに ‒ 2.0 mm であった。模型計測の結果、Spee 彎曲の左右の深さの平均は1.0 mm で、arch length discrepancy に換算すると ‒ 1.0 mm であった。FMIA は52.0 度 であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 34)を別に示す。 Total discrepancy を求めよ。 ただし、FMIA の基準値は57.0 度とする。なお、小数点以下第2 位の数値が得 られた場合には、四捨五入すること。 (数値回答形式を選択式に変換)

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

Total discrepancyは、下顎歯列のarch length discrepancy、Spee彎曲補正量、FMIAから求めるcephalometric discrepancyを合計します。

解説

1.Arch length discrepancy
下顎のarch length discrepancyは ‒2.0 mmです。必要空隙量として絶対値2.0 mmを用います。

2.Spee彎曲
問題文でarch length discrepancyへの換算値が ‒1.0 mmと示されています。必要空隙量は1.0 mmです。

3.Cephalometric discrepancy
FMIA基準値は57.0度、実測値は52.0度です。

差 = 57.0 ‒ 52.0 = 5.0度

FMIAを1度改善するための空隙量を0.8 mmとして換算します。

5.0 × 0.8 = 4.0 mm

4.Total discrepancy
2.0 + 1.0 + 4.0 = 7.0 mm

したがって正答はcです。

計算のポイント
上下顎のarch length discrepancyを単純に合算しません。Total discrepancyの計算では、基準となる下顎の歯列弓長不足にSpee彎曲とFMIA補正量を加えます。

画像の確認

実画像では、左右の第一大臼歯関係はおおむねⅠ級で、上下前歯部には軽度の叢生が見える。写真から追加量を推測せず、提示値の下顎arch length discrepancy 2.0 mm、Spee補正1.0 mm、FMIA差5度から得るcephalometric discrepancy 4.0 mmを合計すると7.0 mmとなり、正答cを支持する。

選択肢の確認

a.6.8mm
誤り。
6.8mmは、FMIA差の換算または加算で誤差が生じた値です。正しくは7.0mmです。

b.6.9mm
誤り。
6.9mmではありません。各補正量をそのまま合計すると7.0mmです。

c.7.0mm
正しい。
2.0mm+1.0mm+4.0mmで7.0mmとなります。

d.7.1mm
誤り。
7.1mmは不要な丸めや加算誤差による値です。

e.7.2mm
誤り。
7.2mmはFMIA補正量などの換算が誤っています。

覚えるポイント

  • Cephalometric discrepancy = FMIA差 × 0.8 mm。
  • Total discrepancy = 歯列弓長不足+Spee彎曲補正+頭部X線規格写真上の補正。
  • 本問は2.0+1.0+4.0=7.0mmです。

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