117C022|第117回 歯科医師国家試験 過去問
22 歳の男性。下顎の前突感を主訴として来院した。診断の結果、下顎枝矢状分 割術による外科的矯正治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 3A)、 口腔内写真(別冊No. 3B)及びエックス線画像(別冊No. 3C)を別に示す。セファロ 分析の結果を図に示す。 適切な抜歯部位はどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
外科的矯正治療の抜歯部位は、骨格異常を隠しているデンタルコンペンセーションを除去する方向から判断します。
解説
骨格性下顎前突では、上顎前歯が唇側傾斜し、下顎前歯が舌側傾斜して骨格的不調和を補償していることがあります。手術前にはこの補償を除去し、術後に適切な歯軸と咬合を得られるようにします。
本症例では上顎前歯を後方移動させるためのスペースが必要で、上顎両側第一小臼歯に相当する選択肢aが適切です。下顎では前歯を唇側へデコンペンセーションするため、通常、同じ目的で下顎小臼歯を抜歯する組合せは選びません。
症例問題の解き方
SNA、SNB、ANBだけでなく、上顎・下顎切歯歯軸とアーチレングスディスクレパンシーを確認し、どの歯列にスペースが必要かを判断します。画像の個別計測値は問題画像で確認します。
画像の確認
実画像では、側貌に下顎前突があり、口腔内では反対咬合と上顎前歯部の叢生がみられる。パノラマ像では永久歯列が揃っており、上顎前歯を後退・排列する空隙を第一小臼歯抜歯で得るという正答aと整合する。
選択肢の確認
a.4 4
正答。適切です。
上顎両側第一小臼歯を抜歯し、上顎前歯の舌側移動とデンタルコンペンセーションの除去に用いる組合せです。
b.5 5
この条件では適切ではありません。
第二小臼歯抜歯では前歯部の後方移動に利用できるスペースや臼歯関係への影響が本症例の目的と合いません。
c.7 7
この条件では適切ではありません。
第二大臼歯抜歯は本症例の前歯デコンペンセーションに必要な抜歯部位ではありません。
d.4 4 4 4
この条件では適切ではありません。
上下顎両側第一小臼歯の抜歯は、下顎前歯を唇側へデコンペンセーションする方針と矛盾します。
e.5 5 4 4
この条件では適切ではありません。
上下顎で異なる小臼歯を抜歯するこの組合せは、本症例の歯軸改善と手術計画に合いません。
覚えるポイント
- 骨格性Ⅲ級では上顎前歯唇側傾斜、下顎前歯舌側傾斜の補償を確認する。
- 術前矯正ではデンタルコンペンセーションを除去する。
- 抜歯部位は必要な歯の移動方向とスペース量から決める。