117D089|第117回 歯科医師国家試験 過去問
食事しづらいことを訴えて来院した患者の口腔内写真(別冊No. 34A)とエックス 線画像(別冊No. 34B)を別に示す。5 年前に近医で部分床義歯を製作し使用してい たが、1 か月前に紛失したという。歯周組織検査の結果、重度慢性歯周炎と診断 し、歯周基本治療を開始することとした。 まず行うのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
重度歯周炎の基本治療中に咀嚼・審美を確保するには、最終補綴前に歯周治療用装置を用います。
解説
歯周治療用装置は、歯周基本治療中に欠損部を暫間的に補い、咀嚼・審美・発音を回復しながら、残存歯の予後や患者の清掃能力を評価する装置です。必要に応じて咬合の安定や動揺歯への負担軽減にも役立ちます。
重度歯周炎では、炎症と感染をコントロールし、再評価で保存可能歯を見極めてから最終補綴へ進みます。ブリッジや矯正を最初に行う段階ではありません。
画像の確認
実画像では、多数歯欠損に加えて残存前歯の著しい移動・挺出と大量の歯石があり、X線像では全顎的な高度骨吸収がみられる。歯周基本治療中の咀嚼・咬合支持を確保する歯周治療用装置をまず製作する正答dを支える。
選択肢の確認
a.部分矯正
この時点での最優先ではありません。部分矯正は炎症をコントロールし、歯周組織が安定してから適応を判断します。
b.舌の突出癖の改善
この時点での最優先ではありません。舌突出癖への対応が必要な場合はありますが、主訴と重度歯周炎への最初の対応ではありません。
c.歯周ポケット搔爬術
この時点での最優先ではありません。歯周ポケット搔爬術は外科的処置で、まず歯周基本治療と再評価を行います。
d.歯周治療用装置の製作
正答。まず行います。歯周治療用装置で欠損を暫間的に補い、基本治療中の機能と審美を確保します。
e.上顎前歯部のブリッジ製作
この時点での最優先ではありません。上顎前歯部ブリッジは支台歯の予後が確定してから検討する最終補綴です。
f.局所薬物配送システム〈LDDS〉
この時点での最優先ではありません。LDDSは局所抗菌療法の補助で、欠損による食事困難の改善と全体的歯周基本治療の代わりにはなりません。
覚えるポイント
- 重度歯周炎ではまず歯周基本治療。
- 治療中の機能回復には歯周治療用装置。
- 最終補綴は再評価後に保存歯と咬合を確定して行う。