46D024|第46回 救急救命士国家試験 過去問
85歳の女性。突然、腹部に激痛が出現し痛みが治まらないため家族が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数28/分。脈拍108/分、不整。血圧178/98mmHg。SpO2値96%。これまでに経験したことのない持続痛だと訴えているが、腹部は平坦で柔らかく反跳痛も認めない。心房細動と僧帽弁狭窄症とで通院加療中である。 この傷病者で最も疑われる病態はどれか。1つ選べ。
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正解: 2
正答
2.腸管虚血
この問題のポイント
心房細動のある高齢者に突然の激しい腹痛が起こり、痛みの強さに比べて腹部所見が乏しい(腹部は柔らかく反跳痛がない)場合は、上腸間膜動脈塞栓症などの腸管虚血を疑います。
解説
心房細動や僧帽弁狭窄症では左房内に血栓ができ、それが上腸間膜動脈へ飛ぶと腸管が急激に虚血に陥ります。発症初期は激烈な持続痛を訴えるにもかかわらず腹部の理学所見が乏しいことが特徴で、時間とともに腸管壊死が進むと腹膜刺激症候やショックが現れます。胃穿孔は板状硬の筋性防御、小腸閉塞は嘔吐と腹部膨満、感染性胃腸炎は下痢と発熱、下部消化管出血は血便が主体で、いずれも本例に合いません。
選択肢の確認
1.胃穿孔:強い筋性防御を伴います。
2.腸管虚血:心房細動と痛みに比べて乏しい腹部所見が典型です。正答です。
3.小腸閉塞:嘔吐や腹部膨満、腸雑音の亢進が主体です。
4.感染性胃腸炎:下痢や発熱を伴い激痛は典型的ではありません。
5.下部消化管出血:血便が主体で激しい持続痛は典型的ではありません。
覚えるポイント
「心房細動+突然の激しい腹痛+腹部所見が乏しい=腸管虚血(上腸間膜動脈塞栓症)」。