46D030|第46回 救急救命士国家試験 過去問
89歳の男性。熱があり元気がないと家族が救急要請した。家族の話では「最近認知症の症状が出てきた。」という。名前、日付、居る場所は正しく答えられる。朝食の内容は具体的には答えられないが、いつもと同じだったと返答する。介助なくパジャマから外出着に着替え、医療機関への搬送について本人に話すと、怪訝な顔をしている。 考えられる症候はどれか。1つ選べ。
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正解: 5
正答
5.近時記憶障害
この問題のポイント
名前・日付・場所は正しく答えられ(見当識は保たれ)、着替えも自分でできる(実行機能は保たれる)一方で、朝食の内容を思い出せないのは、数分〜数日前の出来事を覚えていられない近時記憶障害です。
解説
認知症の初期には、直前の出来事や新しい情報を記憶できない近時記憶の障害から始まることが多く、朝食の内容を具体的に言えないのはその典型です。せん妄は注意力の低下と意識の変動を伴い、アパシーは意欲の低下、見当識障害は時間・場所・人物がわからなくなる状態、実行機能障害は手順を計画して行動できなくなる状態で、本例ではいずれも当てはまりません。医療機関への搬送に怪訝な顔をするのは状況の理解が不十分なためで、記憶障害と整合します。
選択肢の確認
1.せん妄:注意障害や意識の変動を伴い、本例には合いません。
2.アパシー:意欲の低下で、記憶の問題とは異なります。
3.見当識障害:名前・日付・場所は答えられており否定されます。
4.実行機能障害:着替えができており否定されます。
5.近時記憶障害:朝食の内容を思い出せない所見に一致します。正答です。
覚えるポイント
「認知症の初期=近時記憶障害(さっきのことを忘れる)」「せん妄=急性の注意・意識の変動(発熱・感染で誘発)」。