49D001|第49回 救急救命士国家試験 過去問
22歳の女性。数年来、双極性障害で通院している。過剰服薬による救急搬送も複数回あり、現在は自宅療養中で両親と同居している。母親が部屋に行くと、呼名に反応がなく、「死なせてほしい」というメモと多数の薬の空シートがあったため、救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数12/分。脈拍52/分。血圧78/56mmHg。嘔吐の痕跡もあった。救急隊は重症と判断し、三次救急医療機関への搬送を行った。 本人の意思表示があったにもかかわらず救急隊が搬送した行動は、生命倫理に関する原則のどれに該当するか。1つ選べ。
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正解: 3
正答
3.善行の原則
この問題のポイント
過量服薬で意識障害とショック状態にある傷病者を、本人の「死なせてほしい」という意思表示があっても救命のために搬送した行動は、傷病者の最善の利益のために行動する善行の原則に基づきます。
解説
生命倫理の四原則のうち、自律の尊重は本人の判断能力が保たれた意思決定を尊重するものですが、意識障害があり判断能力が失われた状態での過去のメモは有効な意思決定とはみなせません。この場合、傷病者の生命と利益を守るために救命処置と搬送を行うことは善行の原則に該当します。無危害は害を与えないこと、公正・正義は公平な資源配分、人間の尊厳は四原則そのものではありません。
選択肢の確認
1.自律の尊重:判断能力が失われた状態での意思表示には適用されません。
2.人間の尊厳:四原則の項目ではありません。
3.善行の原則:傷病者の利益のために救命行動をとる根拠です。正答です。
4.無危害の原則:害を与えない原則で、搬送の根拠としては善行が適切です。
5.公正・正義の原則:資源配分の原則です。
覚えるポイント
「判断能力のない傷病者の救命=善行の原則」「判断能力のある本人の拒否の尊重=自律の尊重」。