48D014|第48回 救急救命士国家試験 過去問
90歳の男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患〉に対し在宅酸素療法を受けている。昨日、酸素流量を1L/分から3L/分に増量した。自室で意識消失しているのを家族が発見し、救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数10/分。脈拍120/分。血圧140/84mmHg。体温36.4℃。SpO2値93%。 この傷病者に意識障害を生じさせた誘因はどれか。1つ選べ。
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正解: 4
正答
4.酸素飽和度の上昇
この問題のポイント
在宅酸素療法中のCOPD患者が酸素流量を増やした後に意識障害と呼吸数低下を来した場合、酸素飽和度の上昇によって低酸素による呼吸刺激が失われ、換気が減ってCO2が蓄積したCO2ナルコーシスです。
解説
COPDの患者は慢性的に高二酸化炭素血症があり、呼吸中枢はCO2ではなく低酸素によって刺激されています。酸素流量を1L/分から3L/分に増やして酸素飽和度が上がると、この刺激が弱まって換気量が低下し、CO2が蓄積して意識障害(CO2ナルコーシス)に至ります。呼吸筋力の低下や死腔換気の増加、代謝亢進、代謝性アシドーシスは本例の誘因ではありません。対応はバッグ・バルブ・マスクによる補助換気で、酸素を止めることはしません。
選択肢の確認
1.呼吸筋力の低下:誘因ではありません。
2.死腔換気の増加:本例の機序ではありません。
3.全身代謝の亢進:誘因ではありません。
4.酸素飽和度の上昇:低酸素刺激の消失で換気が減りCO2ナルコーシスを来しました。正答です。
5.代謝性アシドーシスの進行:本例は呼吸性アシドーシスです。
覚えるポイント
「COPD+酸素増量→SpO2上昇→換気低下→CO2ナルコーシス」「対応は補助換気(酸素は止めない)」。