48D027第48回 救急救命士国家試験 過去問

60歳の男性。自宅で動けなくなっているところを友人が発見し救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS3。呼吸数20/分。脈拍88/分、整。血圧100/82mmHg。SpO2値96%。手足の筋力の著しい低下を認める。友人によれば、酒だけを摂取し食事はほとんど摂れていなかったとのこと。1か月位前から疲労感、記憶力の低下および下肢の異常感覚があり、1週前から起立が困難とのこと。 この病態の原因として欠乏が推定されるビタミンはどれか。1つ選べ。

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正解: 4

正答

4.ビタミンB1

この問題のポイント

食事を摂らずに飲酒を続けている人の疲労感、記憶力低下、下肢の異常感覚、筋力低下、起立困難はビタミンB1(チアミン)欠乏によるウェルニッケ脳症や脚気(多発神経炎)です。

解説

アルコール依存で食事を摂らないとビタミンB1が欠乏し、末梢神経障害(脚気:下肢のしびれ・筋力低下・歩行障害)、心不全(脚気心)、ウェルニッケ脳症(意識障害・眼球運動障害・失調)を来します。ビタミンB1はブドウ糖の代謝に必要なため、B1欠乏の傷病者にブドウ糖を先に投与すると脳症が悪化することがあり、医療機関ではB1投与が優先されます。葉酸やB12の欠乏は貧血、ビタミンAは夜盲症、ビタミンCは壊血病を起こします。

選択肢の確認

1.葉酸:欠乏で巨赤芽球性貧血を来します。
2.ビタミンA:欠乏で夜盲症を来します。
3.ビタミンC:欠乏で壊血病を来します。
4.ビタミンB1:欠乏で脚気・ウェルニッケ脳症を来します。正答です。
5.ビタミンB12:欠乏で貧血と神経障害を来しますが本例の背景はB1欠乏です。

覚えるポイント

「アルコール多飲+食事不足=ビタミンB1欠乏(脚気・ウェルニッケ脳症)、ブドウ糖より先にB1」。

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