48D038|第48回 救急救命士国家試験 過去問
48歳の男性。80℃の水酸化ナトリウム溶液タンクを用いる化学工場で、誤って両下肢がタンクに浸かって受傷したため同僚が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数32/分。脈拍124/分。血圧148/84mmHg。SpO2値100%。既に引き上げられており、着衣を除去した状態で座り込んでいた。接触時の肉眼所見を図に示す。 この傷病者の病変と対応について正しいのはどれか。1つ選べ。

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正解: 4
正答
4.流水で洗浄してから搬送する。
この問題のポイント
高温の水酸化ナトリウム溶液(強アルカリ)による両下肢の化学損傷では、大量の流水で十分に洗浄してから搬送します。アルカリは組織を融解させて深部に進行するため、洗浄が最も重要です。
解説
写真の両下肢は広範に発赤・びらんし、皮膚が剥離しており、Ⅱ度以上の熱傷と化学損傷の合併です。アルカリは蛋白を融解させる融解壊死を起こし、酸より深部へ進行するため、着衣を除去したうえで20分以上の流水洗浄を行います。中和剤の使用は反応熱で損傷を悪化させるため行いません。両下肢全体の受傷面積は9の法則で約36%に相当し、9%程度ではありません。組織が凝固しやすいのは酸による損傷の特徴です。
選択肢の確認
1.大部分がⅡ度熱傷である:皮膚の剥離があり深達性の損傷を含みます。
2.病変は組織凝固しやすい:凝固壊死は酸の特徴で、アルカリは融解壊死です。
3.受傷面積は9%程度である:両下肢で約36%です。
4.流水で洗浄してから搬送する:化学損傷の基本的な処置です。正答です。
5.酸性中和剤の浸漬ガーゼで保護する:中和剤は反応熱で悪化させるため使いません。
覚えるポイント
「化学損傷=脱衣+大量流水で長時間洗浄、中和しない」「アルカリ=融解壊死で深い、酸=凝固壊死で浅い」。