49D038|第49回 救急救命士国家試験 過去問
40歳の男性。化学工場で作業中に誤って薬液のタンクに落下し、両下肢が膝上まで浸かり受傷した。同僚が直ちに救急要請した。 救急隊到着時観察所見:自力で脱出し、着衣を脱いで水道水による洗浄を開始した直後であった。意識清明。呼吸数16/分。脈拍84/分。血圧136/72mmHg。体温37.0℃。SpO2値97%。外表所見を写真に示す。同僚より図のような安全データシートの提出があった。 本傷病者の現場活動で適切なのはどれか。1つ選べ。

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正解: 4
正答
4.現場での洗浄を15分以上継続する。
この問題のポイント
24%水酸化ナトリウム溶液(強アルカリ)による両下肢の化学損傷では、水道水による洗浄を現場で15分以上継続してから搬送します。アルカリは組織に浸透して損傷が進行するため、洗浄を中断して搬送することは損傷を広げます。
解説
写真Aでは両下肢に広範な発赤とびらんがあり、写真BのSDS(安全データシート)は皮膚腐食性区分1の強アルカリであることを示しています。バイタルサインは安定しており、まず現場での大量流水洗浄を15分以上続けて原因物質を除去することが最優先です。汚染した着衣は除去して密封し、医療機関へ持ち込みません。搬送中の局所冷却は洗浄の代わりにならず、広範囲の化学損傷は熱傷センターのある三次救急医療機関を選定します。
選択肢の確認
1.直ちに医療機関へ搬送する:洗浄が不十分なまま搬送すると損傷が進行します。
2.直近2次医療機関を選定する:広範囲化学損傷は熱傷治療が可能な三次医療機関へ搬送します。
3.搬送中は局所の冷却を実施する:冷却より洗浄の継続が必要です。
4.現場での洗浄を15分以上継続する:アルカリによる化学損傷への適切な対応です。正答です。
5.着衣は医療機関にそのまま持参する:汚染着衣は除去して密封し、持ち込みません。
覚えるポイント
「化学損傷(特にアルカリ)=脱衣+現場で15分以上の流水洗浄、SDSで物質を確認、熱傷センターへ」。