49D009|第49回 救急救命士国家試験 過去問
70歳の男性。駅で突然倒れたため、妻が駅員を呼び救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識JCS300。自発呼吸を認めない。頸動脈は触知しない。胸骨圧迫を開始し、バッグ・バルブ・マスクで換気を試みるが、胸郭は挙上せず胃部の膨隆を認める。前頸部を覆うエプロンをめくると瘻孔が確認できる。妻は「5年前に喉頭がん手術を受けた。」という。 この傷病者の呼吸管理に必要な器具はどれか。1つ選べ。
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正解: 1
正答
1.小児用マスク
この問題のポイント
喉頭摘出後で永久気管孔がある傷病者は口や鼻から換気できないため、永久気管孔に小児用のマスクを密着させてバッグ・バルブ・マスク換気を行います。
解説
喉頭全摘術を受けた傷病者は気管が頸部の永久気管孔に直接開口しており、口鼻と気道はつながっていません。口鼻からのバッグ・バルブ・マスク換気では空気が食道へ入って胃が膨隆し、胸郭は挙上しません。気管孔に合う小児用または乳児用のマスクを当てて換気するのが正しい方法です。経鼻・経口エアウエイは意味がなく、気管内チューブや声門上気道デバイスは口鼻からの気道確保器材で本例には適しません(気管孔へのチューブ挿入は医師の判断です)。
選択肢の確認
1.小児用マスク:永久気管孔に当てて換気できます。正答です。
2.経鼻エアウエイ:口鼻と気道がつながっていないため無意味です。
3.経口エアウエイ:無意味です。
4.気管内チューブ:口からの挿管は不可能です。
5.声門上気道デバイス:喉頭がなく使用できません。
覚えるポイント
「永久気管孔=口鼻からは換気できない→気管孔に小児用マスクで換気」。前頸部の観察を忘れないことが重要です。