49D021第49回 救急救命士国家試験 過去問

48歳の男性。動悸を訴え、ソファーから立ち上がった時に突然意識消失したため家族が救急要請した。 救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数20/分。橈骨動脈で脈拍を触知するが数えられない。血圧108/70mmHg。SpO2値96%。全身の発汗と四肢冷感とを認める。心電図モニター波形を示す。家族によれば、横たわって1分程度で意識が戻ったとのことである。「倒れたことは覚えていない。まだドキドキする。」と訴えている。 この失神の誘因となった病態はどれか。1つ選べ。

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正解: 4

正答

4.左室充満血液量の低下

この問題のポイント

動悸に続く起立時の失神で、心電図が幅の広いQRSの規則的な頻拍(心室頻拍)を示す場合、心拍数が速すぎて拡張期が短くなり左室に血液が十分に充満せず、心拍出量が低下して失神したと考えられます。

解説

図の心電図は単形性心室頻拍です。心室頻拍では心拍数が150〜200/分を超え、拡張期の時間が極端に短くなるため左室充満血液量(前負荷)が減り、1回拍出量と心拍出量が低下します。立ち上がったときに静脈還流がさらに減って脳血流が不足し失神しました。全身の発汗と四肢冷感は交感神経の緊張によるものです。心拍出量の増加や副交感神経の過緊張、循環血液量の減少、末梢血管抵抗の低下は本例の失神の誘因ではありません。

選択肢の確認

1.心拍出量の増加:頻拍では心拍出量は低下します。
2.循環血液量の減少:出血や脱水の所見はありません。
3.副交感神経の過緊張:反射性失神の機序で本例には合いません。
4.左室充満血液量の低下:頻拍による拡張期短縮で生じます。正答です。
5.全末梢血管抵抗の低下:血液分布異常性の機序で本例には合いません。

覚えるポイント

「心室頻拍の失神=拡張期短縮→左室充満低下→心拍出量低下」。除細動パッドを装着して搬送します。

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