49D036|第49回 救急救命士国家試験 過去問
48歳の女性。身長154 cm、体重88 kg。精神疾患で内服薬を処方されている。昨夜自殺企図で薬物を過量摂取し、意識を失った状態を家族が発見し救急要請した。最終健在から12時間以上経過しているらしい。 救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数24/分。脈拍114/分。血圧128/68mmHg。SpO2値94%(室内気)。右上肢を下にした側臥位で倒れている。写真を示す。 本傷病者の右上肢で問題となる病態はどれか。1つ選べ。

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正解: 5
正答
5.コンパートメント症候群
この問題のポイント
過量服薬で12時間以上、右上肢を下にした側臥位で倒れていた傷病者は、自重で上肢が長時間圧迫されて筋区画内圧が上昇するコンパートメント症候群(写真の腫脹した右上肢)を起こしており、横紋筋融解も伴います。
解説
意識消失中に同じ体位で長時間圧迫された四肢では、筋の虚血と浮腫により筋膜に囲まれた区画の内圧が上がり、コンパートメント症候群を発症します。腫脹・緊満、強い痛み、他動的伸展での痛み、感覚異常、進行すると脈拍消失を来し、緊急の筋膜切開が必要です。同時に横紋筋融解による高カリウム血症と急性腎不全にも注意します。上腕骨骨折や上腕動脈損傷は外傷の機転がなく、深部静脈血栓症は下肢に多く、デコルマン損傷は回転する機械などによる剥皮創です。
選択肢の確認
1.上腕骨骨折:外傷の機転がありません。
2.上腕動脈損傷:直接の外傷はありません。
3.深部静脈血栓症:長時間臥床で下肢に多く、本例の上肢の腫脹の主病態ではありません。
4.デコルマン損傷:剥皮損傷で本例には合いません。
5.コンパートメント症候群:長時間の自重圧迫による上肢の腫脹に一致します。正答です。
覚えるポイント
「意識消失で長時間同じ体位=圧迫された四肢のコンパートメント症候群+横紋筋融解(クラッシュ症候群)」。