22AM015第22回 言語聴覚士国家試験 過去問

臨床神経学

78歳男性。1か月前に飲酒後、机の角で頭を打ったが放置していた。最近、頭痛と物忘れが出現して来院。頭部CTを示す。考えられる疾患はどれか。【別図あり】

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正解: 5

正答

(5)

この問題のポイント

高齢者が軽い頭部外傷から数週後に頭痛・認知変化を来し、CTで大脳半球表面に三日月状の低吸収域を示しています。時間経過と形状から慢性硬膜下血腫です。

解説

提示CTでは頭蓋骨内側に沿って広がる三日月状の低吸収性貯留があり、隣接する大脳半球を圧排しています。硬膜下腔の血腫は縫合線を越えて広がりやすく、慢性化すると血液が液化して低〜等吸収となります。高齢者、飲酒者、抗凝固薬使用者では脳萎縮により架橋静脈が伸展し、軽微な外傷でも損傷しやすいです。数週後に頭痛、物忘れ、歩行障害、片麻痺、意識変動が徐々に出現します。急性硬膜下血腫なら外傷直後から数日以内でCTは通常高吸収、脳出血は脳実質内の局所高吸収、正常圧水頭症は脳室拡大、脳腫瘍は腫瘤・浮腫として評価されます。

選択肢の確認

1.「脳出血」は実質内血腫で、三日月状硬膜下貯留と経過が異なります。
2.「脳腫瘍」は外傷後1か月という経過と硬膜下の液体像で第一に考えません。
3.「正常圧水頭症」は脳室拡大と歩行・認知・尿失禁が中心です。
4.「急性硬膜下血腫」は急性期に高吸収性三日月像を示し、本例の時期と濃度に合いません。
5.「慢性硬膜下血腫」は軽微外傷後の遅発症状と低吸収三日月像に一致し正答です。

覚えるポイント

高齢者の軽微外傷後、数週して認知・歩行・頭痛が出たら慢性硬膜下血腫を疑います。急性は高吸収、慢性は低〜等吸収です。

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