23AM096|第23回 言語聴覚士国家試験 過去問
オージオグラムを示す。推定される臨床像として適切なのはどれか。(図あり)

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正解: 1
正答
(1)
この問題のポイント
原図は低音域に30~50 dB HL程度の残存聴力がある一方、1 kHz以上で急峻に高度~重度へ低下する。低音を音響増幅し高音を電気刺激するEASの典型的適応像である。
解説
オージオグラムでは125~500 Hzの低音が軽度~中等度難聴、1 kHz付近から急落し2~8 kHzが80~110 dB HL付近またはスケールアウトとなる高音急墜型を示す。EAS(残存聴力活用型人工内耳)は保たれた低音を補聴器で増幅し、聞き取れない高音を蝸牛内電極で刺激する。身体障害者手帳の聴覚障害2級は両耳の平均聴力レベルがそれぞれ100 dB以上であることが基準となる。原図から会話域の平均を(500 Hz+2×1,000 Hz+2,000 Hz)÷4で概算すると、右耳は(50+2×110+110)÷4=95 dB、左耳は(50+2×85+110)÷4=82.5 dBで、両耳とも100 dB以上という2級基準を満たさない。高周波情報を多く含む子音は障害される。ドア開閉等の低周波・大きな環境音は残存聴力で検知し得る。気骨導差を示す伝音所見ではなく感音性急墜なので、耳小骨固着の推定にはならない。
選択肢の確認
1.「EAS(残存聴力活用型人工内耳)の適応となる。」:EASは低音残存・高音高度低下という原図の急墜型聴力を音響刺激と電気刺激で補うため適応となる。
2.「身体障害者障害程度等級の2級に該当する。」:2級は両耳の平均聴力レベルがそれぞれ100 dB以上であることを要する。原図の会話域平均は右耳でも約95 dB、左耳はそれ未満なので該当しない。
3.「子音の聞き取りは障害されない。」:摩擦音など子音は高周波手掛かりが重要で、原図の高音高度難聴では聞き取りが障害される。
4.「ドアの開閉音を聞き取れない。」:ドア開閉音は比較的大きく低周波成分もあり、残存する低音聴力で検知できる可能性がある。
5.「耳小骨固着の存在を推定する。」:原図は高音急墜型感音難聴で、気骨導差を示す耳小骨固着のオージオグラムではない。
覚えるポイント
EASの図は低音残存+高音急墜。低音は補聴、高音は人工内耳という周波数分担を読み取る。