23PM095|第23回 言語聴覚士国家試験 過去問
補聴器装用者の訴えと対応との組合せとして誤っているのはどれか。
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正解: 5
正答
(5)
この問題のポイント
言葉の明瞭さには子音手掛かりを含む中高音域が重要で、低音利得を上げると低音の上向性マスキングでかえって不明瞭になり得る。
解説
補聴器調整は訴えの原因となる音響現象へ対応させる。自声のこもりは耳栓で外耳道を塞ぐ閉塞効果が原因になりやすく、ベントを広げて低周波エネルギーを逃がす。エアコンのような定常雑音には雑音抑制、紙をめくる音など鋭い音のピークには音響ダンパー等で応答を平滑化する。ハウリングは増幅音がマイクへ戻るため、高音利得の低減やイヤモールド適合、フィードバック抑制で対応する。会話が不明瞭な場合は聴力・語音弁別・装用状態を確認し、必要な中高音の可聴性を調整する。低音だけを増やすと母音や雑音が強まり、子音を覆う。
選択肢の確認
1.「自分の声がこもる。 ――― ベントをあける。」:自分の声がこもる閉塞感にはベントをあけ、外耳道内の低音圧を逃がす対応が適切である。
2.「エアコンの音がうるさい。 ――― 雑音抑制機能を作動させる。」:エアコンのような持続性雑音には、補聴器の雑音抑制機能を作動させる対応が考えられる。
3.「紙をめくる音がうるさい。 ――― ダンパーを挿入する。」:紙をめくる音の鋭さにはダンパーで音響応答のピークを抑え、響きを平滑化する。
4.「ハウリングする。 ――― 高音の利得を下げる。」:ハウリングには漏れや装着を確認し、高音利得を下げることでループ利得を減らせる。
5.「言葉がはっきり聞こえない。 ――― 低音の利得を上げる。」:言葉が不明瞭なとき低音利得を上げると子音をマスキングし得るため、この対応は誤りである。
覚えるポイント
こもり=ベント、定常雑音=雑音抑制、ハウリング=漏れ対策・高音利得調整。不明瞭さへ低音をむやみに増やさない。