113D037|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科矯正学

矯正用ニッケルチタン合金線の応力-ひずみ曲線を図に示す。 応力の除去後、歯に作用するエネルギー(斜線)はどれか。1つ選べ。

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正解: d

正答

d

この問題のポイント

歯に実際に戻されるエネルギーは、矯正線をたわませた負荷時ではなく、応力を除いて線が元へ戻る「除荷曲線の下側面積」です。

解説

応力-ひずみ曲線の面積は単位体積当たりのエネルギーを表します。矯正用ニッケルチタン合金線では、負荷時にオーステナイトから応力誘起マルテンサイトへ変態し、除荷時には逆変態します。このため負荷曲線と除荷曲線が一致せず、ヒステリシスをもつ超弾性挙動を示します。

ブラケットへ装着する際に術者が線へ蓄えたエネルギーのうち、除荷の過程で線が回復しながら歯へ仕事として与える部分は、除荷曲線と横軸に囲まれる面積です。負荷曲線と除荷曲線の間の面積はヒステリシス損失であり、歯へ返されるエネルギーそのものではありません。したがって、原点から最大ひずみまで除荷曲線下を塗ったエが該当します。

画像の確認

実画像では、いずれの模式図も上側の負荷曲線と下側の除荷曲線が描かれ、両者の間にヒステリシスが形成されています。エでは原点から最大ひずみまで、下側の除荷曲線とひずみ軸に囲まれた領域全体が斜線で示され、応力除去後に線材が放出するエネルギーに一致します。

選択肢の確認

a.ア
誤り。
除荷曲線下の一部だけで、回復過程全体が歯へ与えるエネルギーを表しません。

b.イ
誤り。
負荷曲線と除荷曲線の間を示しており、主にヒステリシスによるエネルギー損失です。

c.ウ
誤り。
ヒステリシス領域の一部であり、除荷時に回収される全エネルギーではありません。

d.エ
正しい。
除荷曲線と横軸に囲まれた面積全体で、線が回復時に歯へ与えるエネルギーを表します。

e.オ
誤り。
負荷曲線下を含む面積であり、装着時に線へ加えたエネルギーと除荷時のエネルギーを区別できていません。

覚えるポイント

  • 歯へ作用するエネルギー=除荷曲線下の面積です。
  • 負荷曲線と除荷曲線の間はヒステリシス損失です。
  • Ni-Ti線の超弾性では、除荷時の比較的一定で弱い力を利用します。

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