114B062|第114回 歯科医師国家試験 過去問
矯正歯科治療中の口腔内写真(別冊No. 19)を別に示す。 矢印で示すものを用いて下顎右側の歯に対して行うのはどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
写真の矢印は歯科矯正用アンカースクリューです。歯に依存しない固定源として利用し、下顎右側臼歯を近心移動させます。
解説
歯科矯正用アンカースクリューは顎骨へ一時的に植立する固定源で、目的歯以外に反作用を生じさせにくい絶対的固定として利用できます。本例ではスクリューを臼歯より前方の頰側歯槽骨に置き、エラスティックチェーンやコイルスプリングなどで臼歯部と連結します。スクリュー側へ牽引することで、下顎右側臼歯を欠損・抜歯空隙へ近心移動できます。
固定源を歯に求めないため、前歯・小臼歯の望ましくない移動を抑えながら臼歯を移動できます。植立前には歯根、下顎管、付着歯肉などとの位置関係を評価し、使用中はスクリュー周囲の清掃、炎症、動揺を管理します。
画像の確認
実画像では、下顎右側頰側の歯槽粘膜に、矢印で示された小型の金属製アンカースクリュー頭部が露出しています。スクリューは臼歯部より前方に位置しており、ここを固定源として後方の臼歯へ牽引力を加えると、臼歯を近心へ移動できます。
選択肢の確認
a.臼歯の近心移動
正しい。前方に植立したアンカースクリューを固定源として、臼歯を近心へ牽引できます。
b.犬歯の遠心移動
誤り。スクリューの位置と空隙の関係から、犬歯を遠心へ牽引する目的ではありません。
c.切歯の舌側移動
誤り。切歯の舌側移動には前歯部へ適切な舌側方向の力系を設定する必要があります。
d.小臼歯の舌側移動
誤り。矢印の装置は小臼歯を舌側へ単独移動する配置ではありません。
e.大臼歯の舌側移動
誤り。スクリューと臼歯を前後的に連結して、近心方向へ移動させます。
覚えるポイント
- 歯科矯正用アンカースクリューは歯に依存しない一時的固定源です。
- 臼歯より前方のスクリューから牽引すると、臼歯を近心移動できます。
- 植立部位の解剖とスクリュー周囲の清掃管理が重要です。
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