114C057|第114回 歯科医師国家試験 過去問
26歳の女性。前歯の歯並びが悪いことを主訴として来院した。診断をした結果、上下顎第一小臼歯の抜去後、マルチブラケット装置による矯正歯科治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 23A)、口腔内写真(別冊No. 23B)及びエックス線画像(別冊No. 23C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 併用するのはどれか。3つ選べ。

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正解: b・d・e
正答
b、d、e
この問題のポイント
上下顎第一小臼歯を抜去して前歯を後方移動する矯正治療では、臼歯部が抜歯空隙へ近心移動しないよう固定源を強化します。下顎にはリンガルアーチ、上顎にはトランスパラタルアーチを用い、歯科矯正用アンカースクリューから強固な固定源を得られます。
解説
抜歯空隙を前歯の排列・後方移動へ利用するには、臼歯部の固定を保つ必要があります。リンガルアーチは下顎大臼歯を舌側線で連結し、トランスパラタルアーチは上顎左右大臼歯を口蓋側で連結して固定を補強します。アンカースクリューは歯の反作用に依存しない固定源となります。急速拡大装置は上顎歯列の横幅を拡大する装置で、スライディングプレートも本問の抜歯空隙閉鎖に必要な固定源ではありません。
画像の確認
実画像では、補完した口腔内写真Bに上下顎前歯部の叢生と歯列不整、パノラマエックス線画像Cに4歯の埋伏智歯を確認できます。厚生労働省の現行配布PDFでは、別冊No. 23のA〜Cと問題ページのセファロ分析図が黒く表示され、回収できる埋込画像もありません。このため、日本医歯薬研修協会が公開している同回・同版面の保存版別冊から、個人を識別し得る顔面写真Aを除外し、BとCだけを補完しています。顔貌Aと黒化したセファロ分析図は表示にも診断根拠にも用いません。正答は、問題文に明記された「上下顎第一小臼歯の抜去後、マルチブラケット装置で治療する」という計画から、上下顎の固定源強化を選んで判断します。
選択肢の確認
a.急速拡大装置
誤り。上顎骨の側方拡大に用いる装置で、抜歯後の臼歯固定を目的とする装置ではありません。
b.リンガルアーチ
正しい。下顎左右大臼歯を連結し、近心移動や歯列の変化を抑える固定源になります。
c.スライディングプレート
誤り。本例の抜歯空隙を利用するマルチブラケット治療で、固定源強化のために選ぶ装置ではありません。
d.トランスパラタルアーチ
正しい。上顎左右大臼歯を連結し、臼歯の回転や横的変化を抑えながら固定源を一体化します。
e.歯科矯正用アンカースクリュー
正しい。顎骨に固定して、前歯の後方移動に利用できる強固な固定源を得ます。
覚えるポイント
- 抜歯空隙で前歯を後退させるときは、臼歯の固定源強化を考えます。
- 下顎はリンガルアーチ、上顎はトランスパラタルアーチ、骨固定はアンカースクリューです。
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