114C085|第114回 歯科医師国家試験 過去問
20歳の女性。前歯が出ていることを主訴として来院した。診断をした結果、抜歯を伴う外科的矯正治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 40A)、口腔内写真(別冊No. 40B)及びエックス線画像(別冊No. 40C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な抜歯部位(智歯を除く)と顎矯正手術の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
外科的矯正治療では、歯槽性の前歯突出と骨格性顎関係を分けて評価します。本例は上顎中切歯の唇側傾斜と骨格性の下顎後退が中心です。上顎両側第一小臼歯を抜去して上顎前歯の後方移動に必要な空隙を作り、下顎枝矢状分割術で下顎骨体の位置を修正します。
解説
セファロ分析では、SNB角が小さくANB角が大きい方向にあり、下顎後退による骨格性II級関係を示します。また、FH平面に対する上顎中切歯歯軸傾斜角は大きく、上顎前歯の唇側傾斜があります。一方、下顎前歯は舌側傾斜の歯性代償を示すため、下顎に追加の抜歯空隙を作って前歯をさらに後退させる計画は適しません。上顎第一小臼歯抜去で歯性要因を、下顎枝矢状分割術で骨格性要因を分担して修正します。
画像の確認
実画像では、Aの側貌は凸型で、Bの側方口腔内写真では上顎前歯が下顎前歯より前方に位置しています。セファロ分析図は、顔面角とSNB角が小さい方向、ANB角が大きい方向、上顎中切歯歯軸傾斜角が大きい方向を示します。これらを「下顎骨体の後退」と「上顎前歯の唇側傾斜」に分けて読むと、aの組合せに到達できます。
選択肢の確認
a.上顎両側第一小臼歯抜去 ― 下顎枝矢状分割術
正しい。上顎前歯を後方移動する空隙を確保しつつ、下顎骨体全体の後退を下顎枝矢状分割術で修正できます。
b.上下顎両側第一小臼歯抜去 ― 下顎枝矢状分割術
誤り。下顎前歯はすでに舌側傾斜の歯性代償を示しており、下顎第一小臼歯の抜歯空隙は不要です。
c.上顎両側第一小臼歯・下顎両側第二小臼歯抜去 ― 下顎枝矢状分割術
誤り。この組合せも下顎歯列に不要な抜歯空隙を設け、舌側傾斜した下顎前歯をさらに後方移動させる方向になります。
d.下顎両側第一小臼歯抜去 ― 下顎前歯部歯槽骨切り術
誤り。下顎前歯部を後方へ移動しても、本例の下顎骨体全体の後退は改善できません。
e.上顎両側第一小臼歯抜去 ― 上顎前歯部歯槽骨切り術
誤り。上顎前歯を後退させるだけでは、セファロ分析で示される骨格性の下顎後退に対応できません。
覚えるポイント
- 抜歯は歯槽性の前歯位置、顎矯正手術は骨格性顎位を修正します。
- 上顎第一小臼歯抜去と下顎枝矢状分割術で、歯性・骨格性要因を分担して治療します。
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