115C021|第115回 歯科医師国家試験 過去問
自閉スペクトラム症における口腔所見と原因の組合せで正しいのはどれか。 2つ 選べ。 口腔所見 原 因 a 咬 耗 ー異常習癖 異食b 歯周炎 異 食 c 歯肉退縮 拒 食 d 歯の外傷 自傷行為 e 不正咬合 意思疎通不良

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正解: a・d
正答
a、d
この問題のポイント
自閉スペクトラム症では、感覚過敏、常同行動、異常習癖、自傷行為などが口腔内に影響することがあります。口腔所見と、それを直接生じさせる行動・背景因子の対応を整理します。
解説
自閉スペクトラム症では、反復的な行動や特定の感覚刺激を求める行動がみられることがあります。歯ぎしり、歯の食いしばり、物を咬む行動などが続くと、歯面が機械的に摩耗して咬 耗が生じます。このため「咬 耗-異常習癖」は正しい組合せです。
また、頭部や口腔周囲を叩く、歯を物へ強くぶつける、口唇や頰粘膜を咬むといった自傷行為があると、歯冠破折、歯の脱臼、口腔軟組織損傷などの歯の外傷につながります。
一方、歯周炎の主因は歯周病原性バイオフィルムです。異食そのものを直接原因とする組合せではありません。歯肉退縮は、強すぎるブラッシング、歯周炎、薄い歯肉、歯の位置異常などが関係し、拒食が直接原因ではありません。意思疎通不良は診療やセルフケアを難しくする要因にはなりますが、不正咬合を直接発生させる原因とはいえません。
歯科国試ではここを押さえる
自閉スペクトラム症の診療では、行動を単に「協力できない」と捉えず、感覚特性、反復行動、コミュニケーション方法を把握し、視覚支援や段階的な対応につなげます。
画像の確認
実画像では、口腔所見と関連因子の組合せ表に『咬耗―異常習癖』および『歯の外傷―自傷行為』が示されている。表中の他の対応は整合しないため、この2行に当たる正答a、dが支持される。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
正しい。
問題本文のaは「咬 耗-異常習癖」です。歯ぎしり、食いしばり、物を反復して咬む行動などにより、歯面の機械的摩耗が進行します。
b.選択肢b(問題画像参照)
誤り。
問題本文のbは「歯周炎-異 食」です。異食によって歯や粘膜を傷つけることはありますが、歯周炎の主要因はプラーク中の細菌による慢性炎症です。
c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。
問題本文のcは「歯肉退縮-拒 食」です。拒食は栄養状態や摂食行動へ影響しますが、歯肉退縮の直接原因として扱う組合せではありません。
d.選択肢d(問題画像参照)
正しい。
問題本文のdは「歯の外傷-自傷行為」です。反復して口腔・顎顔面を叩く、歯を物へぶつけるなどの自傷行為により、破折や脱臼が生じることがあります。
e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。
問題本文のeは「不正咬合-意思疎通不良」です。意思疎通の困難さは診療や口腔衛生管理へ影響しますが、不正咬合の直接原因は顎顔面の成長、歯の位置異常、口腔習癖などです。
覚えるポイント
- 異常習癖やブラキシズムは咬 耗の原因になります。
- 自傷行為では歯の破折・脱臼・軟組織損傷に注意します。
- 自閉スペクトラム症では、視覚支援と予測可能な診療手順が有効です。