20AM091|第20回 言語聴覚士国家試験 過去問
誤っているのはどれか。
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正解: 5
正答
(5)
この問題のポイント
ASSRとABRの周波数特異性・閾値推定精度を比較します。ASSRは周波数別推定が可能ですが、低周波数ほど推定誤差が大きくなりやすく、「誤差が少ない」とはいえません。ABRは睡眠の影響を比較的受けにくい検査ですが、反応閾値は条件や評価する成分によって小幅に上昇し得る、と限定して理解します。
解説
ASSRは振幅・周波数変調音を用い、変調周波数に同期する脳電気反応を統計的に検出するため、複数の搬送周波数別に聴力を推定できます。ただし500 Hzなど低音域では反応振幅や背景脳波雑音などの影響を受け、推定誤差が比較的大きくなります。クリック刺激によるABRは主に2〜4 kHz付近を反映するため、正常反応でも低音障害型難聴を見逃し得ます。V波の発生には外側毛帯から下丘付近の複数部位が関与すると考えられます。ABRの短潜時成分は覚醒・睡眠による影響が比較的小さく、睡眠下でも測定できることが大きな利点です。一方、閾値付近では睡眠深度、背景脳波、判定基準、緩徐成分などの影響により、反応閾値が小幅に上昇する場合があります。肢2は「睡眠で必ず大幅に上昇する」という意味ではなく、この条件依存の変化を述べたものとして国試上は正しい扱いです。
選択肢の確認
1.「ASSRは周波数別に測定」は搬送周波数ごとの反応を得られるため正しいです。
2.「睡眠下ABRの反応閾値は上昇する」は、ABR自体は睡眠の影響を受けにくいものの、条件・成分により小幅上昇し得るという意味で正しい扱いです。
3.「ABR正常でも低音障害型難聴」はクリックABRの周波数偏りから起こり得ます。
4.「ABR V波は外側毛帯から下丘付近が起源」は、複数部位が関与するという一般的説明に沿います。
5.「ASSR閾値は低音域で誤差が少ない」は逆で、低音域は誤差が大きくなりやすいため誤りです。
覚えるポイント
クリックABRは高音寄りで、睡眠下でも概ね安定して記録できますが、閾値は条件・成分により小幅上昇し得ます。ASSRは周波数別に推定できる一方、低音域の誤差に注意します。