国家試験まで残り1ヶ月、何を捨てて何をやるか。直前期の過ごし方チェックリスト

受験ガイド|公開: 2026年8月24日コクシメイク編集部

残り1ヶ月を切ると、多くの受験生が同じ罠にはまります。不安になって新しい問題集を買い、知らない知識の多さにさらに不安になり、睡眠を削って詰め込み、本番前日に頭が回らなくなる——。

直前期の原則はひとつだけです。この時期の得点源は、新しい知識ではなく、すでに解いた問題の確実性。 これは精神論ではありません。編集部が収録25,161問を機械照合した実測では、最新回の問題のうち過去問と重なる割合は、介護福祉士で52%、管理栄養士で52.5%、調理師では75.8%に達します。つまり多くの試験で、本番の得点のかなりの部分は「もう解いたことのある問題を、本番でも落とさないこと」で決まります。残り期間を、その確実性に全部投資する。それが直前期です。

残り1ヶ月: 「広げる」をやめる決断

最初にやるのは勉強ではなく、やらないことを決めることです。

新しい教材は、原則ここで打ち止め。 例外は、模試や過去問の分析で特定分野だけ極端に穴があると判明した場合に、その分野に絞った教材を1冊足すケースだけです。「みんなが使っているから」で買う教材は、消化不良と不安しか残しません。

そのうえで、残り1ヶ月の軸を間違えた問題の最終消化に置きます。これまでの演習で間違えた問題・根拠が曖昧なまま正解した問題をリスト化し、試験日から逆算して割り振る。1日30問なら30日で900問。リストがそれより長いなら、直近回の問題を優先します(再出題は直近回からが最も多いため)。

並行して、本番と同じ時間で解く通し演習を最低1回。目的は得点ではなく、1問あたりの持ち時間と「見直しに何分残すか」を体に入れることです。コクシメイクの学習アプリの模試モードは範囲を選んで一括採点できるので、この通し練習に使えます。

生活面ではひとつだけ。起床時間を試験当日に合わせ始めること。試験開始時刻に頭のピークを持ってくる調整は、1週間では間に合いません。

残り1週間: 暗記の「揮発しやすいもの」を最後に寄せる

知識には揮発性の差があります。病態の因果関係のような理解系は一度身につくと抜けにくい。一方、基準値・法制度の数字・統計の順位は、覚えても数週間で薄れます。だから細かい数値系の最終確認は、あえて最後の1週間に寄せるのが合理的です。

残った弱点問題は、もう「解く」必要はありません。問題を見て、正解と、誤りの選択肢の理由を口頭で言えるか確認するだけ。1問1分で回せるので、最後の1週間で数百問をもう一度なぞれます。

そして、この週の最重要タスクは勉強ではなく体調です。睡眠中に記憶は整理されます。睡眠を削った深夜の1時間は、翌日の集中力低下と相殺されて、ほぼ確実に赤字になります。

事務面の確認もこの週に済ませます。受験票、会場までの経路と所要時間、交通機関が乱れた場合の代替ルート。当日の朝に調べることをゼロにしておきます。

前日: 解けない問題に出会わない日

前日の学習は、総ざらいまで。使い込んだまとめノートや、すでに解けるようになった問題の確認だけにします。理由は単純で、前日に解けない問題に出会っても、できることがもう無いからです。得られるのは不安だけ。

持ち物は前日の夜までに揃えます。受験票、筆記用具(鉛筆指定の試験ではシャープペンシル不可の場合があります。受験要項で確認を)、腕時計(会場に時計がない前提で)、昼食と飲み物、そして防寒具。試験会場は換気で想像以上に冷えます。着脱で調節できる服装が無難です。

寝る時間は、いつもどおりで構いません。「早く寝なきゃ」と布団で焦るのが一番眠れない。眠れなくても、横になって目を閉じていれば体は休まっています。一晩の寝不足で、数ヶ月かけて作った記憶は消えません。

当日: 実力を1点も漏らさないための4つのルール

当日に学力は上がりません。上がらない代わりに、運用ミスで下げないことはできます。

2分止まったら飛ばす。 どの国家試験にも、受験者の大半が解けない問題が混ざっています。合否を分けるのは難問の正解ではなく、標準問題の取りこぼしです。方針が立たない問題に印をつけて先へ進み、最後に戻る。

10問ごとにマークのずれを確認する。 問題番号とマーク位置が1つずれる事故は、実力と無関係に数十点を消します。最後にまとめて確認するより、10問ごとに揃っているか見るほうが確実で速い。

休憩時間に答え合わせをしない。 午前の答えを仲間と照合しても午後の得点は増えません。スマホで解答速報を見るのも同じです。昼は食べて、目を閉じる。

終わった科目を引きずらない。 医療系国家試験の多くは総得点勝負です。1区分の手応えが最悪でも、数字の上ではまだ何も決まっていません。試験後の自己採点の正しいやり方は別記事にまとめています——そのためにも、問題冊子に自分の解答を必ず控えておくこと。これだけは試験中にしかできません。

よくある質問

直前期からでも間に合いますか?ほぼゼロから1ヶ月しかありません。

試験によります。過去問の再出題率が高い試験(調理師75.8%、管理栄養士52%など)は、直近2〜3回分の過去問を選択肢の根拠まで仕上げる1点集中で、1ヶ月でも合格圏に届く可能性があります。相対基準の大規模試験(医師・看護師など)をゼロから1ヶ月は現実的に厳しいですが、その場合も過去問中心が最も期待値の高い配分であることは変わりません。

直前期の模試で点が下がりました。どうすればいいですか?

模試の難易度は回によってばらつくため、1回の下振れで学習方針を変える必要はありません。見るべきは点数ではなく間違えた問題の中身です。知識不足なのか、時間切れなのか、マークミスなのかを仕分けし、原因別に残り期間の対策に反映してください。模試の最大の価値は受けた後の分析にあります。

前日は何時間くらい勉強すべきですか?

数時間の軽い総ざらいで十分です。前日の長時間学習で増える得点はわずかで、睡眠の質を落とすリスクのほうが大きい。それよりも持ち物と経路の確認、いつもどおりの就寝時間を優先してください。