第79回診療放射線技師国家試験 出題予想【2027年】過去600問のデータで選ぶ頻出テーマと予想問題
出題予想|公開: 2026年8月24日|コクシメイク編集部
診療放射線技師国家試験は200問を1日で解く広範囲型で、直近の第78回は合格率76.2%でした。収録3回・600問の照合では最新回の33%が過去問と重なる再出題。物理から臨床まで手を広げる前に、まず「毎回出ているところ」を固めるのが合理的です。
この記事では第79回に向けて、数字が「出る」と示すテーマと問題を提示します。予想問題はこのページを離れずにそのまま解けます(無料・解説付き)。
予想の根拠と方法
この予想は、勘や経験則ではありません。コクシメイクが収録する診療放射線技師国家試験の過去問600問(3回分)を対象に、次の2つを機械的に洗い出した結果です。
- 出題が途切れていないテーマ — 収録している全ての回で出題され続けている分野。出題基準が大きく変わらない限り、次回も出る蓋然性が最も高いグループです
- 再出題の実績がある問題 — 問題文の語彙一致(Jaccard係数0.42以上)で、異なる回に類似問題が実在するペア。一度「焼き直された」問題は、また焼き直される——その観測事例そのものです
もちろん的中の保証はありません。ただ、収録25,161問の再出題率の実測が示すとおり、国家試験の出題は思われているよりずっと反復的です。「次に出るもの」を当てる最も堅実な方法は、「出続けているもの」を数えることだと考えています。
最新の第78回では、200問中66問(33.0%)が収録過去問と重なっていました。おおよそ3〜4問に1問は過去問の延長線上にある計算です。この層を確実に取ったうえで、残りを頻出テーマの周辺理解で拾いにいくのが、この試験の効率的な戦い方です。
テーマ側から見ると、下の頻出テーマ上位10件だけで計124問。収録600問の21%が、このわずか10テーマに集中しています。
第79回に向けた頻出テーマ10選
収録3回すべてで出題が続いているテーマを、出題数の多い順に並べています。 バーの長さが出題数です。「実例」から実際の過去問をこのサイト上で解けます。
- MRI検査全3回中3回・計20問
- MR画像全3回中3回・計20問
- 画像評価全3回中3回・計16問
- X線CT検査全3回中3回・計11問
- X線装置システム全3回中3回・計11問
- 超音波検査全3回中3回・計10問
- 画像処理全3回中3回・計10問
- PET装置全3回中3回・計9問
- X線撮影全3回中3回・計9問
- 放射線検出器の構造と特性全3回中3回・計8問
再出題の実績がある予想問題10問──この場で解ける
収録データの中で、実際に回をまたいで「もう一度出た」実績のある問題です。 3回目の登場は十分ありえます。そのままここで解答・答え合わせができます(解説付き・登録不要)。
出題実績: 第76回 76AM13 → 第78回 78AM64 で再出題
超音波の性質で正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4.音響インピーダンスの差が大きい境界面では反射が強くなる。
問題のポイント
超音波検査では、体内に送った超音波が組織境界で反射し、その反射波を画像化します。
反射の強さは、境界をはさむ2つの組織の音響インピーダンスの差によって決まります。
音響インピーダンス Z は、
Z = 密度 × 音速
で表されます。
なぜ4が正しいか
超音波が異なる組織の境界に当たると、一部は反射し、一部は透過します。
このとき、2つの組織の音響インピーダンスの差が大きいほど、反射が強くなります。
例えば、軟部組織と空気、軟部組織と骨の境界では、音響インピーダンスの差が大きいため、強い反射が起こります。
そのため、
- 肺や腸管ガスは超音波観察の妨げになりやすい
- 骨の奥は見えにくい
- 超音波検査ではゼリーを使って空気層をなくす
といった特徴があります。
したがって、4.音響インピーダンスの差が大きい境界面では反射が強くなる、が正しいです。
他の選択肢との区別
1.空気中を伝播しやすい。
誤りです。
超音波は空気中では伝わりにくく、体表とプローブの間に空気が入ると強く反射されます。
そのため、検査ではゼリーを使って空気を排除します。
2.組織中を進むにつれて増幅される。
誤りです。
超音波は組織中を進むにつれて、吸収、散乱、反射により減衰します。
深部ほど信号は弱くなります。
3.伝播速度は脂肪組織よりも水中の方が遅い。
誤りです。
水中の音速は約1480 m/s、脂肪組織では約1450 m/s程度です。
したがって、水中の方が脂肪組織よりやや速く、選択肢は逆です。
4.音響インピーダンスの差が大きい境界面では反射が強くなる。
正しいです。
組織間の音響インピーダンス差が大きいほど、反射が強くなります。
5.ドプラ効果とは超音波が骨に当たって乱反射する現象である。
誤りです。
ドプラ効果は、反射体が動いているときに、受信周波数が変化する現象です。
血流速度測定などに利用されます。骨による乱反射ではありません。
覚えるポイント
超音波の基本性質は次のように整理します。
- 空気は苦手:強く反射し、伝わりにくい
- 組織中では深部へ進むほど減衰する
- 音響インピーダンス差が大きいほど反射が強い
- 水中の音速は脂肪組織よりやや速い
- ドプラ効果は動く反射体による周波数変化
本問では、超音波反射の基本である、音響インピーダンス差が大きいほど反射が強いという4が正答です。
この問題のページ: 第78回 78AM64 / 前回の出題: 第76回 76AM13「超音波の性質で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第76回 76AM33 → 第78回 78PM17 で再出題
心臓核医学検査で正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5.99mTc-ピロリン酸は心アミロイドーシス診断に用いられる。
この問題のポイント
心臓核医学検査では、放射性医薬品ごとの評価対象を整理することが重要です。
この問題では、次のように区別します。
- 99mTc-MIBI、99mTc-テトロホスミン:心筋血流評価
- 123I-BMIPP:心筋脂肪酸代謝評価
- ジピリダモール:薬剤負荷に用いる冠血管拡張薬
- 99mTc-ピロリン酸:心アミロイドーシスなどの評価に用いられる
したがって、正しいのは 5 です。
解説
99mTc-ピロリン酸は、心アミロイドーシス、特にトランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断で用いられます。
心筋への異常集積を評価することで、心アミロイドーシスを疑う手がかりになります。
一方、99mTc-MIBIや99mTc-テトロホスミンは心筋血流製剤です。
123I-BMIPPは脂肪酸代謝を評価する薬剤です。
それぞれの薬剤の目的を混同しないことが大切です。
選択肢の確認
1.99mTc-MIBIの集積機序は能動輸送である。
誤りです。
99mTc-MIBIは脂溶性陽イオン性の心筋血流製剤で、心筋細胞内やミトコンドリア膜電位に依存して集積します。
能動輸送で取り込まれる、という説明は不適切です。
2.123I-BMIPPは心筋内でほとんどβ酸化される。
誤りです。
123I-BMIPPは脂肪酸代謝を評価する薬剤ですが、β位にメチル基を持つため、通常の脂肪酸のようにはβ酸化されにくい特徴があります。
そのため、心筋内に比較的長く保持されます。
3.ジピリダモールは心筋酸素消費量を増加させる。
誤りです。
ジピリダモールは冠血管を拡張させる薬剤負荷に用いられます。
主に冠血流予備能の差を利用して虚血を評価する薬剤であり、運動負荷やドブタミンのように心筋酸素消費量を直接増加させる薬剤ではありません。
4.99mTc-テトロホスミンは再分布現象が認められる。
誤りです。
99mTc-テトロホスミンは心筋血流製剤ですが、201Tlのような明らかな再分布現象は基本的に認められません。
そのため、負荷像と安静像を別々に撮像して評価します。
5.99mTc-ピロリン酸は心アミロイドーシス診断に用いられる。
正しいです。
99mTc-ピロリン酸シンチグラフィは、心アミロイドーシス、とくにトランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断に用いられます。
これが本問の正答です。
覚えるポイント
心臓核医学の薬剤は、何を評価するかで覚えると整理しやすいです。
- 99mTc-MIBI:心筋血流
- 99mTc-テトロホスミン:心筋血流
- 123I-BMIPP:心筋脂肪酸代謝
- ジピリダモール:冠血管拡張による薬剤負荷
- 99mTc-ピロリン酸:心アミロイドーシスの評価
この問題では、心アミロイドーシス診断に用いられる薬剤を問うているため、正しい選択肢は
5.99mTc-ピロリン酸は心アミロイドーシス診断に用いられる。
です。
この問題のページ: 第78回 78PM17 / 前回の出題: 第76回 76AM33「心臓核医学検査で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第76回 76PM17 → 第78回 78AM5 で再出題
細胞外液性ガドリニウム造影剤で正しいのはどれか。
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正解: 1
正答
1.尿中に排泄される。
問題のポイント
ガドリニウム造影剤にはいくつか種類がありますが、本問で問われているのは「細胞外液性ガドリニウム造影剤」です。
細胞外液性ガドリニウム造影剤は、血管内に投与されたあと、血管外の細胞外液へ分布し、主に腎臓から尿中へ排泄されます。
つまり、
- 血管内と細胞外液に分布する
- 細胞内には基本的に入らない
- 肝細胞に特異的には取り込まれない
- 主な排泄経路は腎排泄
という特徴があります。
なぜ1が正しいか
細胞外液性ガドリニウム造影剤は、投与後に血管内から細胞外液へ移行します。
その後、多くは腎臓でろ過され、尿中へ排泄されます。
そのため、腎機能が低下している患者では、排泄が遅延することがあります。
特に重度腎機能障害では、ガドリニウム造影剤の使用可否を慎重に判断する必要があります。
したがって、1.尿中に排泄される、が正しいです。
他の選択肢との区別
1.尿中に排泄される。
正しいです。
細胞外液性ガドリニウム造影剤は、主に腎臓から尿中へ排泄されます。
2.MRCPで必要とされる。
誤りです。
MRCPは、胆管や膵管内の液体を高信号に描出する検査で、基本的にはT2強調画像を利用します。
胆汁や膵液などの水成分を利用して描出するため、通常、細胞外液性ガドリニウム造影剤は必須ではありません。
3.肝細胞に特異的に取り込まれる。
誤りです。
肝細胞に特異的に取り込まれるのは、肝細胞特異性造影剤です。
代表例として、Gd-EOB-DTPAのような肝細胞に取り込まれる造影剤があります。
細胞外液性ガドリニウム造影剤は、肝細胞に特異的に取り込まれる造影剤ではありません。
4.環状型は線状型より脳組織に沈着しやすい。
誤りです。
一般に、ガドリニウム造影剤は構造によって線状型と環状型に分けられます。
環状型はガドリニウムをより安定に保持しやすく、線状型より体内残留や沈着が少ないと考えられています。
したがって、「環状型の方が沈着しやすい」は逆です。
5.アナフィラキシーの頻度は非イオン性水溶性ヨード造影剤より高い。
誤りです。
ガドリニウム造影剤でもアレルギー様反応やアナフィラキシーは起こり得ます。
しかし、その頻度が非イオン性水溶性ヨード造影剤より高いとはいえません。
一般に、重篤な過敏反応の頻度はヨード造影剤より低いとされます。
覚えるポイント
細胞外液性ガドリニウム造影剤は、
- 細胞外液に分布する
- 主に腎臓から尿中へ排泄される
- MRCPでは通常必須ではない
- 肝細胞特異的には取り込まれない
- 環状型は線状型より安定性が高く、沈着しにくい傾向がある
と整理します。
本問では、細胞外液性ガドリニウム造影剤の基本的特徴である「尿中に排泄される」が正答です。
この問題のページ: 第78回 78AM5 / 前回の出題: 第76回 76PM17「細胞外液性ガドリニウム造影剤で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第77回 77AM77 → 第78回 78AM76 で再出題
FPD で正しいのはどれか。
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正解: 2
正答
2.TFTスイッチングで信号を読み取る。
問題のポイント
FPD〈flat panel detector〉は、デジタルX線撮影で用いられる平面検出器です。
FPDには大きく、
- 直接変換方式
- 間接変換方式
があります。
どちらの方式でも、画素ごとに蓄積された電荷をTFT〈thin film transistor:薄膜トランジスタ〉のスイッチングによって順に読み出します。
なぜ2が正しいか
FPDでは、X線入射によって各画素に電気信号が蓄積されます。
この信号は、画素ごとに配置されたTFTスイッチを制御することで読み出されます。
TFTを順次オンにし、蓄積電荷を読み出し回路へ送ることで画像データを作ります。
したがって、2.TFTスイッチングで信号を読み取る、が正しいです。
他の選択肢との区別
1.量子検出効率はCRに比べ低い。
誤りです。
一般に、FPDはCRより量子検出効率〈DQE〉が高い傾向があります。
少ない線量でも効率よく画像信号を得やすいのが特徴です。
2.TFTスイッチングで信号を読み取る。
正しいです。
FPDでは画素ごとの電荷信号をTFTスイッチで読み出します。
3.直接変換方式では輝尽性蛍光体が用いられる。
誤りです。
直接変換方式では、X線を直接電荷に変換する材料として、アモルファスセレン〈a-Se〉などが用いられます。
輝尽性蛍光体を用いるのはCRです。
4.CR方式に比べ撮影してから画像表示までの時間が長い。
誤りです。
FPDは撮影後すぐに電気信号を読み出せるため、CRより画像表示までの時間が短いのが特徴です。
CRではカセッテを読み取り装置にかける必要があります。
5.間接変換方式は直接変換方式に比べ常時温度管理が必要である。
誤りです。
温度管理が問題になりやすいのは、直接変換方式で用いられるアモルファスセレンなどです。
間接変換方式の方が常時温度管理を強く必要とする、という記述は不適切です。
覚えるポイント
FPDは方式ごとに整理します。
直接変換方式:
- X線を直接電荷へ変換
- 代表材料:アモルファスセレン
- 空間分解能に有利
間接変換方式:
- X線を蛍光体で光へ変換し、フォトダイオードで電荷へ変換
- 代表材料:CsI、GOSなど
共通点:
- TFTスイッチングで信号を読み出す
- CRより画像表示が速い
- CRよりDQEが高い傾向がある
本問では、FPDの読み出し方式を正しく述べている2が正答です。
この問題のページ: 第78回 78AM76 / 前回の出題: 第77回 77AM77「FPD で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第77回 77AM78 → 第78回 78AM78 で再出題
トモシンセシスで正しいのはどれか。
解説と出題履歴を見る
正解: 5
正答
5.step and shoot方式では一定の角度ごとにX線管を止めて撮影する。
問題のポイント
トモシンセシスは、X線管を限られた角度範囲で移動させながら複数の投影画像を取得し、任意の断層面を再構成する撮影法です。
CTのように被写体の周囲を大きく回転して完全な断層像を作るのではなく、比較的小さい振り角で撮影する「限定角度断層撮影」です。
なぜ5が正しいか
トモシンセシスの撮影方式には、X線管を連続的に動かしながら撮影する方式と、一定角度ごとに停止して撮影する方式があります。
step and shoot方式では、
1.X線管をある角度まで移動する
2.その角度でいったん停止する
3.X線を照射して投影画像を取得する
4.次の角度へ移動する
という流れで撮影します。
つまり、一定の角度ごとにX線管を止めて撮影する方式です。
したがって、5が正しいです。
他の選択肢との区別
1.振り角は120度以上である。
誤りです。
トモシンセシスは限定角度で撮影する方法です。通常、CTのように広い角度を回転するのではなく、比較的小さい振り角で複数方向から投影画像を取得します。
2.断層厚は振り角に依存しない。
誤りです。
断層厚は振り角に依存します。一般に、振り角が大きいほど断層厚は薄くなり、深さ方向の分離能が向上します。逆に振り角が小さいと断層厚は厚くなります。
3.循環器用X線撮影装置で用いられる。
誤りです。
トモシンセシスは、乳房撮影、胸部、整形領域などで用いられることがあります。循環器用X線撮影装置の代表的な機能として問われるものではありません。
4.回転中心と回転中心から離れた画像の空間分解能は同等である。
誤りです。
トモシンセシスでは限定角度撮影であるため、断層面や位置によってボケや分解能が変化します。回転中心と離れた位置で空間分解能が常に同等とはいえません。
5.step and shoot方式では一定の角度ごとにX線管を止めて撮影する。
正しいです。
一定角度ごとに停止し、その位置で投影画像を取得します。
覚えるポイント
トモシンセシスは、
- 限定角度で複数投影を撮影する
- 任意断面を再構成できる
- CTより少ない角度範囲で撮影する
- 振り角が大きいほど断層厚は薄くなる
- step and shoot方式では一定角度ごとに停止して撮影する
と整理します。
本問では、step and shoot方式の説明として正しい5が正答です。
この問題のページ: 第78回 78AM78 / 前回の出題: 第77回 77AM78「トモシンセシスで正しいのはどれか。…」
出題実績: 第77回 77AM80 → 第78回 78AM79 で再出題
乳房用 X 線装置で正しいのはどれか。
解説と出題履歴を見る
正解: 2
正答
2.自動露出機構を備える。
問題のポイント
乳房撮影では、乳腺と脂肪のわずかな吸収差や微細石灰化を描出する必要があります。
そのため、乳房用X線装置には、
- 低管電圧撮影に適したX線管
- 圧迫装置
- 自動露出機構〈AEC〉
- 拡大撮影機能
- 専用の撮影台
- 乳房撮影に適した焦点・フィルタ
などが備えられています。
なぜ2が正しいか
乳房撮影では、乳房の厚さや乳腺量によって必要な線量が大きく変わります。
自動露出機構〈AEC〉は、受像器に到達するX線量を検出し、適正な画像濃度・画質になるように撮影を自動的に終了させる機構です。
乳房撮影では被ばくを抑えながら安定した画質を得ることが重要なので、AECは非常に重要です。
したがって、2.自動露出機構を備える、が正しいです。
他の選択肢との区別
1.拡大撮影はできない。
誤りです。
乳房撮影では、微細石灰化や小病変を詳しく観察するために拡大撮影が行われることがあります。専用の拡大撮影台や小焦点を用います。
2.自動露出機構を備える。
正しいです。
乳房厚や乳腺濃度に応じて適切な露出を得るため、AECが用いられます。
3.インバータ式低電圧装置である。
誤りです。
乳房撮影では低い管電圧を用いますが、装置としてはX線管に高電圧を加えるX線高電圧装置です。「低電圧装置」と表現するのは不適切です。
4.X線管長軸は撮影台と平行である。
誤りです。
乳房用X線装置では、乳房撮影に適したX線束、焦点配置、ヒール効果などを考慮してX線管が配置されます。選択肢のように、X線管長軸が撮影台と平行であると単純に述べるのは不適切です。
5.放射窓の材料はタングステンである。
誤りです。
放射窓には、X線吸収の少ないベリリウムなどが用いられます。タングステンは陽極ターゲット材料として用いられることがありますが、放射窓材料ではありません。
覚えるポイント
乳房用X線装置では、
- AECを備える
- 圧迫装置を備える
- 拡大撮影が可能
- 低管電圧撮影を行う
- 放射窓にはX線透過性の高い材料を用いる
- 微細石灰化描出のため小焦点が重要
と整理します。
本問では、乳房用X線装置の基本機能である自動露出機構が正答です。
この問題のページ: 第78回 78AM79 / 前回の出題: 第77回 77AM80「乳房用 X 線装置で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第76回 76AM89 → 第78回 78AM54 で再出題
診療放射線技師が実施できる行為はどれか。
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正解: 4
正答
4.放射線治療中に患者が体調不良を訴えたため、一時的に治療を中断した。
問題のポイント
診療放射線技師の業務では、医師または歯科医師の指示の下で適切に検査・治療を実施することが前提です。
一方で、患者の安全を守るため、検査中や治療中に異常があれば、照射や処置を一時的に止めて安全確認を行うことは重要です。
本問では、「診療放射線技師が実施できる行為」として、患者安全上必要な一時中断を選びます。
なぜ4が正しいか
放射線治療中に患者が体調不良を訴えた場合、そのまま照射を継続すると危険です。
例えば、
- 気分不快
- 呼吸苦
- 疼痛
- 意識レベル低下
- 体動
- パニック
- 固定具による苦痛
などがあれば、治療精度や患者安全に影響します。
このような場合、診療放射線技師は照射を一時的に中断し、患者の状態を確認し、必要に応じて医師や看護師へ連絡します。
したがって、4.放射線治療中に患者が体調不良を訴えたため、一時的に治療を中断した、は実施できる適切な行為です。
他の選択肢との区別
1.胸部正面X線写真にて腫瘤影を認めたので、側面像を追加した。
誤りです。
診療放射線技師が画像を見て独自に診断し、医師の指示なしに追加撮影を行うことは不適切です。
追加撮影が必要な場合は、医師または歯科医師の指示を確認して実施します。
2.国家試験合格を確認したので、すぐに診療放射線技師業務を開始した。
誤りです。
国家試験に合格しただけでは、診療放射線技師として業務を開始できません。
免許申請を行い、診療放射線技師名簿に登録され、免許を受けてから業務を行います。
3.人員が不足していたため、看護師に照射スイッチを押すように依頼した。
誤りです。
放射線を人体へ照射する業務を、資格や権限のない者に依頼することはできません。
人員不足を理由に、看護師へ照射操作を代行させることは不適切です。
4.放射線治療中に患者が体調不良を訴えたため、一時的に治療を中断した。
正しいです。
患者安全を守るため、異常時に照射を一時停止し、状態確認や医師への報告を行うことは適切です。
5.未告知の癌患者に放射線治療の適応について問いただされたため、告知した。
誤りです。
病名や治療方針の告知は、医師が患者・家族との関係、説明方針、診療情報を踏まえて行うべき内容です。
診療放射線技師が独断で未告知の癌を告知することは不適切です。
覚えるポイント
診療放射線技師の行為は、次のように整理します。
実施できる:
- 医師・歯科医師の指示に基づく撮影・照射
- 患者安全のための照射一時停止
- 異常時の報告、確認、救援要請
実施できない:
- 独断で追加撮影する
- 免許登録前に業務を開始する
- 無資格者に照射操作を依頼する
- 医師に代わって病名や治療適応を告知する
本問では、患者安全のために放射線治療を一時中断する4が正答です。
この問題のページ: 第78回 78AM54 / 前回の出題: 第76回 76AM89「診療放射線技師が診療の補助で実施できない行為はどれか。…」
出題実績: 第77回 77PM78 → 第78回 78PM78 で再出題
X 線透視撮影装置で正しいのはどれか。2 つ選べ。
解説と出題履歴を見る
正解: 2・4
正答
2.パルス照射によって被ばくを低減できる。
4.X線管装置とX線受像器が連動して移動する。
この問題のポイント
X線透視撮影装置の構造と、被ばく低減の方法を問う問題です。
X線透視では、リアルタイムに体内の動きを観察するため、連続的または断続的にX線を照射します。
このとき重要なのは、できるだけ少ない線量で必要な画像情報を得ることです。
正しい内容は次の2つです。
- パルス照射によって被ばくを低減できる
- X線管装置とX線受像器が連動して移動する構造がある
したがって、正答は 2と4 です。
解説
X線透視では、連続透視よりもパルス透視を用いることで、X線が出ている時間を短くできます。
X線を常に出し続けるのではなく、短いパルス状に照射することで、患者被ばくを低減できます。
また、透視撮影装置では、X線管装置とX線受像器が向かい合うように配置されます。
Cアーム装置や透視台では、観察方向を変えてもX線管と受像器の位置関係が保たれるように、両者が連動して移動します。
一方、I.I.〈イメージインテンシファイア〉は、構造上、画像歪を生じやすい装置です。
FPD〈フラットパネルディテクタ〉はI.I.に比べて画像歪が少ない特徴があります。
また、イメージングプレートはCRで用いられるもので、リアルタイム透視には適していません。
FPDでは、X線を検出するために直接変換方式または間接変換方式の変換層を用います。
選択肢の確認
1.I.I.の方がFPDより画像歪が小さい。
誤りです。
I.I.では、入力面や電子レンズ系の影響により、糸巻き歪やS字歪などの画像歪が生じやすくなります。
FPDは平面検出器であり、I.I.より画像歪が少ないのが特徴です。
2.パルス照射によって被ばくを低減できる。
正しいです。
パルス透視では、X線を連続的に照射するのではなく、短い時間だけ断続的に照射します。
照射時間を減らせるため、患者被ばく低減に有効です。
3.イメージングプレートを用いた方式がある。
誤りです。
イメージングプレートはCR装置で用いられる記録媒体です。
CRでは撮影後に読み取りを行うため、リアルタイム透視には適していません。
X線透視撮影装置では、I.I.やFPDなどが用いられます。
4.X線管装置とX線受像器が連動して移動する。
正しいです。
透視撮影装置では、X線管装置と受像器が対向関係を保ちながら移動します。
Cアーム装置などでは、観察方向を変えてもX線管と受像器が連動して動きます。
5.FPD方式ではX線を検出する変換層を用いない。
誤りです。
FPDではX線を電気信号に変換するための変換層を用います。
直接変換方式ではアモルファスセレンなど、間接変換方式ではシンチレータなどを使用します。
したがって「変換層を用いない」は誤りです。
覚えるポイント
X線透視撮影装置は、次のように整理します。
- パルス透視:被ばく低減に有効
- I.I.:画像歪が生じやすい
- FPD:画像歪が少ない
- FPD:X線検出のための変換層を用いる
- CRのイメージングプレート:リアルタイム透視には不向き
- X線管と受像器:連動して移動する構造がある
この問題は2つ選ぶ問題です。
正しい選択肢は、
2.パルス照射によって被ばくを低減できる。
4.X線管装置とX線受像器が連動して移動する。
です。
この問題のページ: 第78回 78PM78 / 前回の出題: 第77回 77PM78「X 線透視撮影装置で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第76回 76AM67 → 第78回 78PM59 で再出題
がんに対する温熱療法で正しいのはどれか。
解説と出題履歴を見る
正解: 5
正答
5.放射線照射による亜致死損傷からの回復を抑制する。
この問題のポイント
温熱療法の生物学的効果を問う問題です。
がんに対する温熱療法では、腫瘍を加温することで細胞障害を起こし、放射線治療や化学療法の効果を高めます。
特に重要なのは、温熱療法が放射線照射後の 亜致死損傷からの回復を抑制する ことです。
これにより、放射線の効果が増強されます。
したがって、正しい選択肢は
5.放射線照射による亜致死損傷からの回復を抑制する。
です。
解説
放射線を照射された細胞では、DNA損傷などが起こります。
その中には、細胞が修復できる程度の損傷、つまり亜致死損傷があります。
温熱療法は、この亜致死損傷の修復を妨げる作用があります。
そのため、放射線治療と温熱療法を併用すると、腫瘍細胞をより障害しやすくなります。
また、低酸素や低pHの腫瘍細胞は、放射線には抵抗性を示しやすい一方で、温熱には比較的感受性を示すことがあります。
この点も、温熱療法が放射線治療の補助として重要な理由です。
選択肢の確認
1.30~35 ℃の加温で熱凝固が起こる。
誤りです。
30~35 ℃は体温より低い、または体温に近い温度であり、熱凝固が起こる温度ではありません。
温熱療法では一般に40℃台前半程度の加温が問題になります。
熱凝固はさらに高温で起こります。
2.ヒートショック蛋白は温熱耐性を抑制する。
誤りです。
ヒートショック蛋白は、熱ストレスから細胞を守る方向に働きます。
そのため、温熱耐性の形成に関係します。
温熱耐性を抑制する、という説明は逆です。
3.S期よりもM期にある細胞の感受性が高い。
誤りです。
放射線ではM期が高感受性として重要ですが、温熱感受性ではS期の細胞が比較的高感受性とされます。
放射線感受性と温熱感受性を混同しないようにします。
4.低酸素細胞よりも酸素に富む細胞に効果的である。
誤りです。
低酸素細胞は放射線抵抗性を示しやすいですが、温熱療法では低酸素・低pHの腫瘍環境にも効果が期待されます。
「酸素に富む細胞により効果的」とするのは不適切です。
5.放射線照射による亜致死損傷からの回復を抑制する。
正しいです。
温熱療法は、放射線照射後に細胞が損傷を修復する過程を抑制します。
そのため、放射線治療との併用で増感効果が期待できます。
これが本問の正答です。
覚えるポイント
温熱療法は、放射線治療との併用効果で覚えると整理しやすいです。
- 温熱療法:腫瘍を加温して細胞障害を起こす
- 放射線との併用:亜致死損傷からの回復を抑制する
- 低酸素細胞にも効果が期待される
- ヒートショック蛋白:温熱耐性に関係する
- 放射線感受性と温熱感受性の細胞周期依存性は混同しない
この問題では、温熱療法の正しい特徴を問うているため、正しい選択肢は
5.放射線照射による亜致死損傷からの回復を抑制する。
です。
この問題のページ: 第78回 78PM59 / 前回の出題: 第76回 76AM67「温熱療法で正しいのはどれか。…」
出題実績: 第76回 76PM72 → 第78回 78PM63 で再出題
中性子で正しいのはどれか。
解説と出題履歴を見る
正解: 4
正答
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
この問題のポイント
中性子の発生、質量、エネルギー、物質との相互作用についての問題です。
中性子は電荷を持たない粒子なので、電子と直接強く相互作用するのではなく、主に原子核と相互作用します。
特に、エネルギーの低い 熱中性子 では、原子核に吸収される 捕獲反応 が重要になります。
したがって、正しい選択肢は
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
です。
解説
中性子は、陽子とほぼ同じくらいの質量を持つ粒子です。
電子よりはるかに重く、電荷を持たないため、物質中では原子核との反応が中心になります。
中性子の相互作用は、エネルギーによって特徴が変わります。
高速中性子では、水素原子核などとの弾性散乱によってエネルギーを失うことが重要です。
一方、熱中性子のように十分に減速された中性子では、原子核に取り込まれる捕獲反応が起こりやすくなります。
捕獲反応では、原子核が中性子を取り込み、余分なエネルギーをγ線などとして放出することがあります。
このため、熱中性子では捕獲反応が重要な相互作用になります。
選択肢の確認
1.光電効果に伴い発生する。
誤りです。
光電効果は、光子が原子の軌道電子にエネルギーを与え、光電子を放出する現象です。
発生するのは主に電子であり、中性子ではありません。
2.静止質量は電子よりも小さい。
誤りです。
中性子の質量は電子よりはるかに大きく、陽子とほぼ同程度です。
電子より小さいという記述は逆です。
3.中性子源として241Amの自発核分裂を利用する。
誤りです。
241Amは主にα線を放出する核種です。
中性子源としては、241AmとBeを組み合わせた Am-Be中性子源 があり、これはα線とBeの反応で中性子を発生させます。
自発核分裂を利用する代表的な中性子源は、252Cfなどです。
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
正しいです。
熱中性子はエネルギーが低く、原子核に捕獲されやすい中性子です。
そのため、熱中性子では捕獲反応が重要な相互作用になります。
これが本問の正答です。
5.核分裂で発生する即発中性子の平均エネルギーは約10 keVである。
誤りです。
核分裂で発生する即発中性子の平均エネルギーは、keV程度ではなく、MeV程度です。
一般に約2 MeV程度として扱われます。
10 keVでは低すぎます。
覚えるポイント
中性子は、エネルギーによって相互作用を整理します。
- 高速中性子:弾性散乱で減速されやすい
- 熱中性子:捕獲反応が重要
- 中性子の質量:電子よりはるかに大きく、陽子に近い
- Am-Be中性子源:241Amのα線とBeの反応で中性子を発生
- 252Cf:自発核分裂を利用する代表的な中性子源
- 核分裂即発中性子:平均エネルギーはMeV程度
この問題では、熱中性子の相互作用として捕獲反応が重要であるため、正しい選択肢は
4.熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。
です。
この問題のページ: 第78回 78PM63 / 前回の出題: 第76回 76PM72「中性子の性質で正しいのはどれか。…」
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